◇ 安倍首相が国会での答弁で
「アビガン」を口にするのは理由がある。
それは「アビガン」を開発した
富士フイルム富山化学が、
お友だちの会社だからである。
もうすでに新型コロナの治療薬として
立証済みであるかのような発言を繰り返し、
そうすると読売新聞が一面トップで
「アビガン200万人分確保」と煽り立て、
テレビのワイドショーで非専門家が、
「なんで早くこの薬を承認しないんだ」
「厚労省は何をやっているのか」
といった馬鹿げた光景が繰り広げられた。
◇ しかし、アビガンには最初から
催奇形性の副作用があることが
知られているし、
さらに新型コロナウイルス患者に
投入した場合に本当にこの薬の効果で
症状が改善したのか、
それとも他の施策が先に効いたのか、
あるいはまたその複合なのか、
あるいはまた別の副作用は
出なかったのかについて、
まだ何の科学的知見も蓄積されていない。
厚生労働省や在野の専門家が
慎重な態度を崩さないのは当然である。
◇ 従って、この秋までに
「この薬があれば心配ない」
という確信が得られるところまで
達するのは極めて難しい。
その大変さは、2003年にパンデミックを
起こしたSARSのワクチン開発が
もう17年も続いていて、
今なお未完成であることを知れば
納得できるだろう。
従って、今年「10月」という壁は
とてつもなく高い。
ましてやそのタイミングで
世界が大きな第2波に
見舞われているような状況であれば、
もはや五輪どころではない
ということになるのは当然だ。
つづく
今日一日の人生を大切に!