◇ ニートとは、
「Not in Education,
Employment or Training 」の略。
「勉強もしない、働きもしない、
その努力すらしない」 という意味である。
◇ これまでの歴史の中では、
子どもは大人になったら
社会に参加するのが当たり前だったが、
社会に参加することもなく
モラトリアムのまま過ごす人たちが
世界の先進国の中に多数現れた。
*モラトリアム
大人になっても社会定的な義務を
果たさない状態
日本では、
60万人とも100万人とも
言われている。
何もしないで1日ゲームをしたり
インターネットを見ていたりしても
食べられるわけだから、家庭は裕福。
高級官僚や大企業の部長以上の
子どもたちも多い。
◇ 戦後社会は組織の時代であった。
だから個人は社会組織に
参加することによって自己実現出来た。
しかし、組織が完成したあと、
若者たちは、組織に参加することに
喜びを感じない。
むしろ
「社会の参加しないことで自己実現をする」
という発想が現れた。
これがニートと呼ばれている
若者の固まりである。
◇ しかし、このようなニートの若者たちに
社会に対する「後ろめたさ」全くはない。
むしろ自分たちは、
意味のない組織内・組織外闘争に
明け暮れる同世代の若者に対して、
「僕らは勝ち組だ」という。
これは まさに驚嘆に値する。
親の蓄積で基本生活は守られ、
働きも学びもせず、
1日中ネットワークとつながっている。
ある意味では「貴族的な生活」でもある。
◇ 多くの若者が強固な組織構成の上に
乗って生活せざるをえないことを
知っている。
そこからはみ出しても、
フリーターや派遣社員のような
別の強固なシステムが
待ち受けていることも当然知っている。
だからこそ「働かない、勉強しない」
というニートたちは、
同世代の若者に対して
「勝ち組」であると誇れるのである。
ニートはまさに現代の貴族かもしれない。
ニートの生き方も、
ひとつの生き方として認めなければならない、
そういう時代でもある。
新型コロナウイルスにより、
働き口がなくなれば、
彼らもまた増殖を続けることになる。
<今日の名言>
人々はみな有用なものが役にたつとわかっていても、
無用なものが役にたつことをしらない 莊子
*「無用の用」という言葉に凝縮された莊子の思想。
地味で役にたたないものが、実は重要な役割を
果たしているということは少なくない。
今日一日の人生を大切に!