◇ 岐路になる出会いが誰にでもある。
「人生 邂逅(かいこう)し
開眼し瞑目(めいもく)す」
文芸評論家、亀井勝一郎の文学碑に
刻まれた言葉だが、
邂逅すなわち偶然の出会いが
人生をつくる。
◇ 丹下健三氏は、旧制高校の頃、
たまたま雑誌で一枚の写真を目にして、
建築家を志した。
スイス生まれの建築家
ル・コルビュジエ設計の
「ソビエト宮殿」案である。
文科に転籍を考えていた時期の頃で、
その邂逅がなければ、
「世界のタンゲ」は
生まれていなかったかもしれない。
◇ 建築史に及ぼした影響において、
コルビュジエはピカソ以上
とも評される巨匠である。
彼の設計した国立西洋美術館が2016年、
の構成資産として
「世界文化遺産」に登録された。
◇ 緩やかなスロープをたどっていくと、
絵画や彫刻に自然と出会う。
「住宅は住む機械である」と語り、
機能性と美しさを追求した人ならではの
心地よさを美術ファンはよくご存じだろう。
庭園の散歩も楽しい新緑の季節である。
機会があれば、
立ち寄られてはいかがだろう。
今日一日の人生を大切に!