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不祥事を起こす企業の本質的な問題 ②    vol.739

◇「ノルマ」というのは、

  ロシア語を起源とした言葉である。

 

社会主義時代に国家が個人や団体に

強制的に割り当てた「労働の目標量」

のことを指している。

 

「ノルマ」という言葉を

 日本に伝えたのは、

シベリア強制労働からの帰還者であった。

 

そしてノルマは単なる数字目標ではなく、

それだけの「強制力」を内包している。

 

驚くべきことに、

郵便局やスルガ銀行の

例を見てわかるように、

 

この前近代的な「ノルマ」

現代にも生き残り、引き継がれ、

現存していた。

 

ではなぜ、大企業の中でも、

  営業社員を多く抱える企業で、

 

「ノルマ」と「不祥事」の問題が

 併存してしまうのだろうか。

 

考えられる原因としては、

 

これら企業のビジネスモデルが、

 

時代に追いつかず、

時代にマッチせず、

 

多くの営業社員を余剰に抱えた結果の

トラブルであることがうかがえる。

 

そもそも営業の成果が

 上がらない根本的な原因は、

 

個々の営業資質の問題ではなく、

「経営戦略」にあるとトンビは考えている。

 

営業成績が上がっていない

企業の多くが、

 

古いビジネスモデルのままであるか、

無理のあるビジネスモデルを採用している。

 

要するに、それらの会社の

経営戦略自体が破綻しているのだ。

 

郵便局のビジネスモデルもまた、

時代に取り残されしものの典型例である。

 

日本郵政グループは、

 民営化こそされたものの、

 自由化されたわけではない。

 

まるで手足の一部を

縛られたような状態なのである。

 

そんな中、日本政府は、

震災の復興資金として

郵便局の株式売却を見込み、

4兆円の予算を組み込んだ。

 

つまり、2022年までに

株式を売却して、

4兆円を作らなければならない。

 

足かせをはめられたまま、

過大な利益目標を掲げられた

日本郵政グループは、

 

いまだ利益を上げる柱の事業を

見つけられずにいる。

 

このような状況の中、

かんぽ生命の生命保険販売だけが、

 

グループの売上げ増加における

頼みの綱にならざるを得なくなった。

 

かくして生じたのが、

日本中で社会問題となった、

かんぽ生命の不適切販売事件だ。

          つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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