◇ 働き方改革関連法が
昨年6月に成立した。
残業時間の規制や、
正社員と非正規社員の
不当な待遇格差の解消、
高収入専門職の労働時間の規制除外
――といった内容で、
日本の労働慣行の
大きな転換点となったようだ。
働き方改革関連法が成立して、
まだ1年にも満たないが、
今まで年中無休のデパートが
休みになったり、
企業の管理者が
有給休暇を取得したりと、
確かに世の中は変わってきた。
◇ 実は働き方は人間の寿命にも
大きな影響を与えるという説がある。
米コロンビア大学ビジネススクールの
シーナ・アイエンガー教授の著書
「選択の科学」にそのことが書いてある。
この本は名著であるので
ぜひ読んでほしい。
英ロンドン大学の長年にわたる
研究プロジェクト、
「ホワイト・ホール・スタディー」
が基になっている。
◇ この研究は英国の20歳から64歳の
公務員男性約1万人を対象とし、
さまざまな階層に所属する公務員の
健康状態を追跡して比較したものだ。
調査の結果、
地位の高くない職業階層の
心臓病発症などによる死亡率が、
上級職の3倍も高いという事実が判明した。
さらにいえば、
階層が上がっていくほど、
平均寿命が延びるという。
◇ 著書によれば、その理由は、
「選択の自由度に対する認識が
健康に大きな影響を及ぼす」
からだそうだ。
つまり、自分で物事を判断できる
権限が大きいほど健康に良い影響を
与えるということになる。
地位が高い人は責任も重く、
大きなストレスを抱えることは間違いないが、
それ以上に自分で考えて
判断することができる、
選択の自由を持つことの方が
健康上のメリットが大きいということになる。
つづく
今日一日の人生を大切に!