◇ 見えない未来を信じるためには、
目前では「見えない本質」を
読み取る力が必要がある。
感染が確認されても、
現状では8割程度が軽症と言われている。
WHO(世界保健機関)は
新型コロナ・ウイルスによる死亡率は
2%程度という推測値を発表している。
一方、一人の感染者は
2.2人を感染するという推測もあり、
この掛け算では一気に世界中の人々が
感染するという単純計算になる。
ただ感染しても病症が現れない、
軽症であるということかもしれない。
もちろん世界の100人の一人が
死亡するということを考えると、
新型コロナ・ウイルスは
確かに恐れなければならない
感染症であることは間違いない。
◇ 世界で数多い感染症の中、
三大感染症と言われているものがある。
HIV/エイズ、結核とマラリアだ。
HIV/エイズでは年間77万人ぐらいが
命を失うが、これは感染者のおよそ2%だ。
結核の年間死亡者数はおよそ125万人で、
発病者のなんと12.5%になる。
そして、マラリアによる
年間死亡者数は40万人で、
発病者の2億28000万人との
比率は低いものの、
死亡者の67%が5歳未満の子供達である。
2分間で一人の子供がマラリアによって
命を失う計算と言われている。
しかし、三大感染症による死亡は、
この10年間ぐらいで半減している。
実は三大感染症の特徴とは、
国際的パートナーシップの対策によって
制圧できる感染症なのだ。
そして、残念ながら
あまり知られていない事実は、
その土台作りに貢献したのが日本であること。
2000年のG8九州・沖縄サミットで、
議長国日本が感染症対策を
主要課題として取り上げ、
G8諸国が確認した。
国境を超える感染症対策には
政治的意志が不可欠になる。
観光立国整備の財源として
2019年1月に導入された出国税を、
感染症対策の財源として
活用することもできる。
感染症は観光立国だけではなく、
経済社会を根幹から脅かす脅威でもある。
今回の新型コロナ・ウイルスは、
情報過多の時代に、
「本質とは何か」という
問いを我々に投げかける。
これを機に、
本格的な感染症対策への
きっかけとして欲しい。 完
今日一日の人生を大切に!