「成熟」するとは
なにかを獲得することではなくて、
「喪失」を確認することだ。
◇ 文芸評論家の江藤淳は
1960年代の著作「成熟と喪失」で
日本社会の母子の密着関係を問題視した。
いびつな相互依存の結びつきを
解体した先にしか、
真の成熟 = 成長はない
しかし母親は息子が自分と
違った存在になっていくことに
耐えられずにその成長を呪う。
◇ 日本郵政の今を考えるとき、
この半世紀前の明察が思い起こされる。
欧米と異なる日本独特の慣行
とされる親子上場で、
持株会社の日本郵政とその傘下の金融2社が、
2015年11月 それぞれ株式を公開した。
しかし、この度の相次ぐ不祥事で、
子離れの機を逸すれば、
ジリ貧となる恐れが大いにある。
金融2社をいつどのように手放すか。
どこか歪んだ母子関係にくさびを打つときが、
近づいていることは間違いない。
今日一日の人生を大切に!