◇ 昭和初期、定年は55歳であった。
そして「努力義務」として
60歳定年が示されたのが 1986年。
その8年後の1994年に
60歳定年が「完全義務」化された。
◇ 70歳定年が「努力義務」化された
昨年(2019年)の8年後は
どうなるのか気になるところだ。
ということで、
あなたはいつまで働くつもりですか?
◇ 働く場所を取り上げられることに対して
人は喪失感を持つ。
けれども、自分で選べるのなら、
働く場所を放棄する選択をする人もいる。
これを固い言葉に置き換えるなら、
労働の権利と義務
と言えるのではなかろうか。
権利があるのなら、それは維持したい。
とりあげられたくはない。
けれども、もし義務でないのなら、
放棄したい場合もある。
このようなややこしい人間の心理を
見透かしたような法律の条文がある。
それが日本国憲法 第二十七条 だ。
◇ 第二十七条
すべて国民は、
勤労の権利を有し、義務を負ふ。
労働を権利として示す考え方は、
簡単に言い換えれば、
強制労働の否定ということになる。
つまり、
「強制的に働かされるわけではないが、
働かなければ生きてゆけない」
そんな状況に置かれた際に、
私たちはどのように生きるのか、
ということで悩むことになる。
そしてそんな哲学的とも
言えるような状況に、
多くの人たちが置かれてしまって
いるのではないだろうか。
◇ もし将来に対して不安を感じるのなら、
私たちは労働そのものについての
考え方を整理したほうがよさそうだ。
その際の視点は、個人と社会、
そして、権利と義務 となる。
個人の視点で見た場合、
「義務的労働」とは生活を守るためのもの。
そして「権利的労働」とは、
自己実現などを目的としたものになる。
社会の視点で見た場合、
「義務的労働」とは互いに助け合うためのもの。
そして「権利的労働」とは、
社会貢献を目的としたものになる。
義務と権利 は、
それぞれ短期と中長期という時間軸で
読み替えてもよいかもしれない。
つづく
今日一日の人生を大切に!