◇ 渋谷区ではこうした新しい形の
IT行政の実現に向けて、
数年前から投資している。
その取り組みは、
「顧客サービスを実現するための
投資と構造改革、さらにはKPI主導の
ワークスタイル変革」
に他ならない。
平たく言えば、
ITを利用して区民に
優れたユーザー体験を提供していき、
職員のレベルではKPI、
つまり目標設定とそれを達成したかのデータを、
職員が常に意識しながら
働き方を変えていくということだ。
KPI : Key Performance Indicator
重要業績評価指標
◇ KPI達成のために職員へは
モバイルPC+Office 365+クラウド
という業務システムを導入した。
単にモバイルPCを配布しているだけでなく、
BYOD も認めており、
いつでもどこでも職員が仕事をできる
環境を整えているという。
BYOD : 従業員が自分のPCなどを
使って業務を行うこと
また、民間でも頭が痛い
非効率な企業に特徴的な「会議」も、
既に渋谷区ではOffice 365に
バンドルされている Teams を
利用しているという。
◇ 民間企業の 「IT刷新」、
渋谷区に負けてないか?
変わらなければ
生き残ることはできない。
渋谷区のケースは、まさに
「老朽化した“レガシーIT”を
保持し続けている企業が、
ITシステムをどう刷新するか」
という問題を、
民間のIT担当者にも突きつける
事例ではないだろうか。
◇ 少子高齢化、AIの普及など
社会が大きく変わりつつある。
そうした中で将来ではなく
今変わらなければならない。
公務員は徴収された税金の
仕組みの上に存在しており、
高品質、高効率なサービスを
提供していかなければならない。
◇ 例えば、現在多くの大企業で
使われているメールのシステムは、
30年前のシステムの仕組みを
ちょっとずつ変えながら延命してきたものだ。
一方で、Slack や Teams といった
新しいビジネスコミュニケーションの
ツールも登場している。
そうした新しいツールを導入しようとすると、
利用者(従業員)から「メールで十分だ」とか、
「新しいモノが怖い」という反応が帰って来て、
導入が進まないということは多々ある。
◇ 渋谷区役所の中で新たなITが
どこまで浸透するかは
これからも見ていく必要があるが、
それでも、渋谷区ですらIT刷新は
ここまで進めた。
働く現場の非効率をどう解消して、
前に進むのか。
民間企業の経営層にとっても
真剣に考えるべき問題だ。 完
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