◇ ラクダが砂漠に棲(す)めて、
キリンが棲めないのはなぜだろう。
キリンの場合、見渡す限り
ここには砂しかないと悟ってしまう。
幸運にもラクダはそれがわからない。
すぐ先にオアシスがあるかもしれないと
期待しながら進めるのだ。
◇ 人はラクダに似ている。
見えるのは「今」だけで、
あした何が起きるかは誰もわからない。
わからないおかげで、
希望を抱いて人生の旅を
つづけることができる。
◇ 多くの企業が仕事始めに臨み、
政治と経済の歯車がそろって動き出した。
正月気分が立ち去るのも早い
年の初めである。
迎えた令和二年には、
どんな出来事が
用意されているのだろうか。
そこはラクダの強みで、
砂嵐や炎熱ではなく、
緑の泉が待っていると
信じて、信じて、歩き出すしかない。
初暦(はつごよみ)知らぬ月日は美しく
古屋信子
今日一日の人生を大切に!