◇10月22日に行われた
「即位礼正殿の儀」で、
米国は日本軽視の態度を
露骨に示していた。
こうした日米関係悪化の深刻さを
注視すべきだとするのは、
国際関係ジャーナリストの
北野幸伯氏である。
日本外交が今優先すべき
課題について記している。
安倍政権の流れを振り返ると、
日本が現在、かなりヤバい状況にあることが
はっきり理解できると氏はいう。
◇ 2012年9月、当時の民主党野田政権は、
尖閣を国有化した。
これで日中関係は「戦後最悪」になった。
中国は 2012年11月、ロシアと韓国に、
「反日統一共同戦線をつくろう!」
と提案した。
ここには、驚愕の「対日戦略」が
記されている。
その中身は、
・中国、ロシア、韓国で
【反日統一共同戦線】をつくる
・反日統一共同戦線の目的は、
日本の領土要求を断念させること
・日本に断念させる領土とは、
北方4島、竹島、尖閣、【沖縄】である
・日本に【沖縄】の領有権はない
・反日統一共同戦線には、【アメリカ】も
引き入れなければならない
さて、中国の戦略は簡単に言うと、
・日米関係を破壊する
・日ロ関係を破壊する
・日韓関係を破壊する
・日本を世界的に孤立させ、
破滅させる
というもの。
したがって、日本の戦略は、
・日米関係を強固にする
・日ロ関係を改善させる
・日韓関係をを改善させる
・孤立をさけて、反日統一共同戦線戦略を
無力化させる
ということになる。
◇ では、この戦略を受けて、
日本は、どうなったかというと、
2013年12月の靖国参拝で、
安倍政権は世界から孤立。
中韓だけでなく、アメリカ、イギリス、
ドイツ、EU、ロシア、オーストラリア、
シンガポール、世界一の親米国台湾までが、
これを厳しく批判した。
さらに日本政府は、
「反日統一共同戦線戦略」のことを
知らなかったため、
「なんでここまで批判されるのか」と、
うろたえることになった。
これは、中国の戦略に基づく
反日プロパガンダの結果に他ならない。
しかし、強運の安倍総理は、
ある歴史的事件に救われた。
◇ 2014年3月、
ロシアがクリミアを併合。
リベラル・オバマ大統領は、
保守安倍総理が嫌いだったが、
クリミアを併合したロシアを
制裁しなければならない。
それで、オバマ大統領は、
安倍総理と和解して、
日本を「対ロシア制裁網」に
引き入れてしまった。
◇ そして、2015年3月、
今度はAIIB事件が起こった。
AIIB: アジアインフラ投資銀行
イギリス、フランス、ドイツ、
イタリア、スイス、オーストラリア、
イスラエル、韓国などなど、
ほとんどすべての親米諸国が
中国主導のAIIBに入ってしまった。
しかも、彼らはアメリカの制止を無視した。
しかし、日本だけはAIIBに参加しなかった。
◇ 2015年4月、安倍総理は、
「希望の同盟演説」をし、
意気消沈していたアメリカの
エリートたちを激励した。
これで日米関係は劇的に改善した。
◇ そして2015年12月、
日韓関係は、慰安婦合意により、
以前よりはよくなった。
さらに1年後の2016年12月、
プーチンが訪日。
クリミア併合後、
日本が対ロシア制裁に参加したことで、
悪化していた日ロ関係が
この訪日で、大いに改善された。
つづく
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