◇ 前回の冒頭で述べたように、
もともと学生時代などは優秀だったのに、
社会に出て苦戦する人がいるが、
それは、
「認知能力のために、
非認知能力を犠牲にしてきた」
ことも影響している。
いくら優秀でも社会では
通用しないことは多々ある。
それは、学校の授業では教えてくれない。
社会人として仕事をするうえで必要な
3つのことが欠けているからだ。
◇ まず、学生時代は、試験など自分のことを
解決することが求められてきたが、
社会人になると相手(お客様やチーム)の
課題を解決することが求められる。
他人のために何かをするには、
相手の問題を察したり、
聞き出す共感力やコミュニケーション力や
利他性などが必要になる。
◇ 2つ目は、協調性や忍耐力、回復力。
学生時代は仲のいい友達たちと
過ごしていればそれでよかったが、
社会人は上司やクライアントなど、
苦手だったり気の合わない人たちと
うまくやっていかなければならない。
◇ 3つ目は、行動力、やり抜く力、責任感。
学生時代は勉強で知識をつけて
試験で点を取るという
“机上” での作業で評価されていたが、
社会人は、知識を活用して
結果を出す “行動” が求められる。
それには 行動力、
やり抜く力などが必要になる。
これらはいずれも、
非認知能力といわれるものだ。
◇ 非認知能力の高い人は、
自分の知らなかった新しい世界の
人々と交わっても協調し、
試行錯誤を繰り返し、
転んでも立ち上がることができる。
その姿勢こそが、
ストレスに強いと言われるゆえんだ。
もちろん、仕事へのミスマッチからくる
ストレス原因は、
どちらの能力不足でも起こりえるもので、
単にその仕事に対する十分な
認知能力(基本的能力)が欠ける場合もある。
◇ ただ、ストレスに強くなるためには、
認知能力を上回る非認知能力が必要なのだ。
人はちょっとした感情の爆発でキレて、
自分が積み上げてきたものを
一瞬で失うことがある。
職場でも家庭でも
そういうことはよく起こる。
特に上司や親という立場にいる人は要注意。
なぜなら、キレたついでに
自分がため込んできたストレスを
弱い相手に全部ぶつけてしまう
ということがよく起こるからだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!