◇ 最近「先進医療」という言葉を
耳する機会が増えた。
生命保険会社などのCMやDMで、
「先進医療特約」という内容を見て、
ご存じの方もいるかもしれない。
◇ この「先進医療」とは何かと言うと、
「厚生労働省によって
指定されている新しい治療」
のことをいう。
「先進」という名前はついてはいるが、
この言葉のイメージと内容は
実はぴったりではない。
したがって、まず最初に、
「先進医療」と「保険診療」の違いについて
説明することにする。
◇ 「先進医療」とはどういう意味かというと、
「これから保険診療の一つとして認めるか
どうかの候補生のような新しい治療」
のこと。
これに対して「保険診療」とは、
「有効性や安全性が確認されていて、
割引料金(多くの人は3割負担)で
受けられる治療」
のこと。
これは、検査も手術も薬も
すべて事細かに決められており、
辞書のような分厚い本に載っている。
◇ 「先進医療」とは「保険診療」に
入ることを目指している治療のことで、
新しいものに間違いないが、
保険診療を超えた先進的なもの、
という意味ではないことに注意が必要だ。
あくまで保険診療になる次の候補の
治療法のことだと考えたほうがいい。
◇ 次の候補である理由は、
大ざっぱに言えば
有効性や安全性が高いレベルで
証明されていないからだ。
通常、保険診療の一員になるためには、
効くことと安全であることが
きっちり示されていることが必要になる。
◇ 先進医療は現在 89種類 もある。
先進医療はがん治療に関連するものが多く、
がんのための特殊な
放射線(重粒子線・陽子線)の治療や、
抗がん剤を使った治療、
特殊な手術方法(ロボットや腹腔鏡)
などがある。
がん以外にも、うつ病への磁気刺激治療、
遺伝子検査、肝硬変治療、臓器移植など
実にさまざまである。
つづく
今日一日の人生を大切に!