◇ 陶芸作家、河井寛次郎の
「助からないと思っても助かって居る」
という有名な言葉がある。
この言葉は、将棋の故大山康晴15世名人が
「座右の銘」としていたことでも知られている。
◇ 将棋を指している際、
「これはもう助からん」
とあきらめそうになったとき、
この言葉を思い出し、
「助かっている」という気持ちで
改めて盤上を見直したときに、
「一灯闇を破る」
そんな手が浮かんでくるという。
◇ この
「助からないと思っても助かって居る」
という言葉は、
人生全般に当てはまるように思える。
◇ 助からないと思った瞬間、
助からない理由に目を向けてしまう
こととなるが、
「既に助かっている」と捉えて、
そこから思索すれば、
今、既に助かっている理由を探そうとし、
その目線で周囲を眺めることで
「苦境を切り開く道が見つかる」
こともあるのではなかろうか。
◇ その昔、
「人生投げたらアカン」と言ったのは、
元近鉄バファローズの
鈴木啓示投手であったが、
これも先のものと通底する言葉になる。
◇ 人生を「投げる」方向に
目線を向けるのではなく、
「助かっている」理由に
目を向けることによって、
前を向いて生きていこう、
そんな活力や気概も湧いてくる。
そのエネルギーが本当に
捲土重来の機会を招き入れる、
あるいは、
狂瀾を既倒に廻らす突破口を切り開く、
きっかけを与えてくれるのではなかろうか。
今日一日の人生を大切に!