◇ 2011年のOECDの報告では、
加盟28カ国中、
日本はノルウェーに続いて
2番目に睡眠時間が短かった。
NHKの「国民生活時間調査」によると、
とりわけ40~50代は短く、
平均7時間を切っている。
◇ 徹夜でがんばることには
独特の高揚感がある。
しかし後から振り返るとミスも多く、
効率が悪いことは、誰もが経験上、
わかっていると思う。
睡眠不足だとうまく頭が回らないのは、
決して気のせいではない。
睡眠時間が5時間を切る日が続くと、
脳はチューハイを数杯飲んだときと
同じくらい機能が低下するそうだ。
◇ 睡眠研究の第一人者として知られる
睡眠評価研究機構の白川修一郎代表は、
「まず、睡眠時間が短いと免疫力が落ちる」
と指摘する。
人の身体は、運動や活動によって疲労したり、
細胞にダメージを負ったりするが、
睡眠中に成長ホルモンが出て
それらを修復するようにできている。
睡眠不足だと、成長ホルモンの分泌が
少なくなるため十分な修復が行われず、
その結果、老化が進む。
また、脂肪や糖の代謝が悪くなり、
交感神経の緊張が続くため血圧も上がる。
◇ 実際、睡眠時間が6時間以下の人は
肥満、糖尿病、心臓病の有病率が高い。
さらに、
「うつ病、事故、自殺のリスクも高くなる。
睡眠時間が6時間を切るのはたいへん危険」
と白川代表は注意する。
◇ 4419人の日本人男性を調査した
自治医科大学の研究から、
睡眠時間が6時間以下の人は
7~8時間の人に比べて、
死亡率が 2.4倍 高くなる
という報告もある。
睡眠不足は老化を進め、
寿命を縮めるというわけだ。
◇「よく眠る」ことは立派な
アンチエイジングであり、
サプリメントなんかよりも
大きな効果が期待できるし、
お金はかからない。
どんなに忙しくても、
なるべく睡眠時間は削らないようにして、
6時間以上眠ることを心がけてほしい。
完
今日一日の人生を大切に!