◇ 現在の日本の歳出の中で
もっとも大きいのは、
社会保障関連費
この社会保障関連費だけで、
金額は30兆円を超えている。
深刻な少子高齢化社会を
迎えている日本にとって、
この社会保障関連費は、
非常に重要な支出ということになる。
だが、この社会保障関連費は、
天下り官僚たちのカッコウの
利権温床になっていることを
ご存知の方は極めて少ない。
◇ 今の年金制度は、
かなり複雑になっており、
一般の人からは
なかなかわかりにくい。
なぜもっとわかりやすい
仕組みにできないのかと、
不審に思っている人も多いはずだ。
◇ なぜ年金がこれほど複雑な制度に
なっているのかというと、
それはキャリア官僚の天下りが
大きく関係している。
今の日本の公的年金システムは、
様々な機関がたくさんある。
それぞれが個別の仕組みで
成り立っており、
それが、年金や保険の制度を複雑化し、
「消えた年金」などが生じる
大きな要因となっているのである。
◇ では、なぜそんなに
たくさんの機関があるのかというと、
キャリア官僚たちが
機関をたくさんつくれば、つくるほど、
自分たちの天下り先を
確保できるからである。
◇ たとえば、公務員の社会保障を
管理する団体には、
・地方公務員共済組合
・国家公務員共済組合
という組織がある。
いずれもキャリア官僚が
数名ずつ天下りしている。
国家公務員も地方公務員も、
その年金の原資というのは、
もちろん100%税金である。
だから公務員の年金を扱う団体は、
当然のことながら税金を
支出してつくられている。
つまり地方公務員共済組合や
国家公務員共済組合も、
その原資は100%が税金であり、
そこに天下りの席を用意し、
税金で天下り先を確保している
ということになる。
◇ そして、この天下りの報酬は、
決して安くない。
一人あたり1,000万円前後もする。
公的年金の管理などは、
いろんな団体が乱立するよりも
一元管理した方が、
もちろん効率的で公平になる。
◇ だが、これまでも何度も公的年金の
複雑な制度を一元化するべき、
という議論が起こってはいるが、
キャリア官僚の天下りの席の確保のため、
これらの団体を整理することは決してしない。
そのため、
日本の公的年金システム自体に
巨大な無駄を生じさせているのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!