◇ このような状況の中、
中国人投資家は、
なぜ、日本を買うのか?
彼らが利回りを度外視してまで
日本の不動産を買うのはなぜなのか。
目的はいくつか考えられるが、
その1つが
「経営管理ビザ」の取得だ。
◇ 経営管理ビザとは、
外国人が日本で会社を設立して
経営を行う場合に必要となる在留資格で、
明確になってはいないが、
「資本金または
出資金の総額が500万円以上」
「日本国内に事務所がある」
「会社の実態がある」
などの要件がある。
ビザの発給を受けた後に
1年、3年、5年などのスパンで更新し、
永住権を取得して移住するケースも少なくない。
◇ 日本に移住したい中国人投資家が
1000万〜2000万円ぐらいの
区分マンションを買い、
不動産賃貸業として「経営管理ビザ」を
取得するのがブームになっているようだ。
彼らは『投資移民』と呼ばれ、
日本に来ずにビデオ通話アプリで説明を受けて
郵送書類で契約するケースも多くあるという。
◇ では、そもそも、
なぜ中国人は
日本に移住しようとするのか?
一般論として、
中国では土地の私的所有が認められておらず、
永久に所有権が得られる日本の不動産に
魅力を感じるケースは多いとされている。
また、中国の大学入試は
一発勝負で競争が猛烈に激しく、
そういったことを嫌って
日本の教育を受けさせたいと考える親が
多くなったことも一因。
医療や水などの面でも
中国より日本の方が安心なため、
子どもを育てる環境として
選ぶケースが増えたとみている。
◇ 中国人投資家にとって、
物件購入や融資のハードルは
日本人に比べるとかなり高い。
そんなハンデを背負う
中国人投資家は、
不利な状況を打開しようと
スピードと資金力で勝負を挑んでくる。
経営管理ビザの取得が困難になり、
「投資移民」を取り巻く環境が
厳しくなっている中で、
それでも日本の不動産を狙って
規模を拡大している中国人投資家は
日本人にとっても強敵といえる。
彼らは融資の厳しさゆえ
現金買いに絞り、投資の決断も早い。
どう対抗すべきなのか、
考える時期にきているのかもしれない。
完
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