◇ 日本政府が閣議で
韓国をホワイト国から除外することを決め、
予想通り韓国から強い反発を招くとともに、
インバウンド需要に期待する分野などで
警戒感が強まっている。
◇ 日本株にとっては、
業績悪化・米中貿易戦争で苦しいところへ、
後ろから日韓関係の悪化で
蹴飛ばされた感もあるが、
しかし韓国自身はさらに大きなリスクを抱え、
先の見えない危機を迎えることになる。
◇ 今回の日韓関係のこじれには、
韓国の読み違いが見て取れる。
いくら高飛車に出ても、
日本は決して怒らないとの読みがあり、
北朝鮮問題優先のなかで、
日本を無視してきた。
しかし、半導体部品の輸出取り扱いや
韓国に対するホワイト国の適用除外は、
日本政府の建前は「安全保障上の問題」で
内政問題としているが、
実際には韓国の度重なる「非礼」に
堪忍袋の緒が切れたということに他ならない。
◇ 慰安婦基金の勝手な解約、
自衛隊機へのレーダーの照射事件、
天皇への謝罪要求、元徴用工問題 と、
度重なる「非礼」が
韓国への信用を失墜させた。
これが正されない限りは、
仮に韓国が貿易管理をきっちりしたとしても、
ホワイト国待遇を続けることは、
国民世論自体の反発を招きかねない。
安易に妥協すれば、
安倍政権の支持率が低下する。
◇ そこをまったく理解しない韓国が、
自分の非を認めず、
すべて相手国日本の問題に転嫁し、
これまで以上に高飛車に出た結果、
日本の反韓ムードをいやでも
高めてしまった。
国民の9割がホワイト国から
韓国を除外することに賛成し、
日本が譲歩すべきでないとの声が優勢だ。
◇ もちろん日韓関係の悪化は、
日本経済にも負担となる。
韓国では日本製品の不買運動が広がり、
日本への旅行も急減している。
これを当てにしていた日本の観光地、
百貨店などはインバウンド需要の
減少を余儀なくされ、
韓国向けの輸出も
減ることになる。
半面、韓国では反日ムードの高まりで
苦境にあった文政権の支持率が急回復し、
ますます日本に強硬姿勢を強めている。
しかし、韓国の経済基盤が弱く、
日本が手を引くと韓国経済は
回っていかない構図になっている。
長い目で見れば韓国が自立する
「チャンス」ではあるが、
日本からの部品を止められると、
半導体も自動車も行き詰まることになる。
◇ そこで韓国内には報復措置として、
今月24日に期日を迎える
日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)を
延長しない、との案が提示されている。
しかし、これは韓国にとっても
大きなリスクになる。
韓国は日本の衛星やイージス情報に依存し、
またこの協定がなくなれば、
米国は在韓米軍を置いておく必要がなくなり、
米軍の引き揚げが早まることになるからだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!