◇ 元東京都知事の猪瀬直樹氏が
作家時代の1983年、
今から36年前に
「昭和16年夏の敗戦」
という本を書いた。
ご存知のように敗戦といえば、
昭和20年のはずだ。
なぜ、 「昭和20年の夏の敗戦」
ではないのかと、
当然トンビも疑問に思った。
◇ 昭和15年10月に「総力戦研究所」
という名の内閣総理大臣直轄の
研究所が創設された。
昭和16年4月に第一期性研究生が入所。
30数人の30代の軍人、
官僚、ジャーナリストを含む
当時のエリートたちが集められた。
彼らの仕事は、
「もしも日本がアメリカと
戦ったらどうなるか」
そのレポートを作成することであった。
そして8月には、
近衛総理、東条陸軍大臣、
閣僚の前でその結論を報告した。
◇ 数多くの資料に基づき、
詳細に分析した結果は、
「もしアメリカと戦ったら
日本は必ず負ける」
というものであった。
鉄や石油などの資源の不足を補うために
東南アジアに無理に進出するものの、
船舶の輸送力が低下して
さらなる物資の不足に追い込まれるなど、
その後、日本が進んでいく悲劇が
ほぼ正確に予測されていた。
◇ 昭和20年夏の敗戦は、
すでに4年前にわかっていた
ことだったのだ。
そのシュミレーションは
机上の空論だといって却下され、
12月には真珠湾攻撃が敢行され、
あの無謀な戦争に突入することになる。
国民は、はじめから結果のわかっている、
不毛な戦争につき合わされということだ。
しかしながら、徹底的に破壊され、
敗戦したけども、
日本国民はめげることはなった。
<今日の名言>
人間は地位が高くなるほど、
足もとが滑りやすくなる。
タキトウス(古代ローマの歴史家)
*すべるだけの地位がなくて、
よかった、よかった。
今日一日の人生を大切に!