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「新冷戦」時代がもたらすもの ②   vol.554

 

◇ アメリカと中国がこれほどまで

     問題をこじらせたのは、

 

中国共産党が自国企業と官民一体となって

全世界の知的財産・意匠の窃盗を繰り返し、

 

その窃盗した技術でアメリカ市場に

乗り込んできたからである。

 

◇ こうした「窃盗」

    軍事の部分にも及んでおり、

 

アメリカの兵器産業の機密情報や

軍人の個人情報や軍事作戦まで

情報窃盗して、

明確な軍事的脅威になっている。

 

◇ さらに中国は「一帯一路」戦略をも

    同時に押し進め、

 

資源を持った途上国や、

軍事拠点になり得る途上国に

莫大な債務を貸し付けて、

 

経済的植民地を手に入れながら、

膨張主義に邁進している。

 

◇ アメリカの歴代大統領は、

    こうした中国の傍若無人ぶりを

    見て見ぬ振りをして

   やり過ごしてきたのだが、

 

トランプ大統領になってから、

アメリカは明確に中国を

危険視するようになり、

 

いよいよ貿易の分野から

戦いの火蓋が切られたのである。

 

◇ アメリカが本気なのは、

     ファーウェイ問題ひとつを

     取っても分かる。

 

今後、世の中は「5G」によって

大きく変わっていくのだが、

 

アメリカは信用できない中国ファーウェイを

基幹システムに設置して欲しくないと考えて、

 

全世界からファーウェイを

締め出そうとしている。

 

◇ それだけでなく、アメリカ国内で

     ファーウェイの端末を

     使うことさえも禁止した。

 

ファーウェイは、

 

「そんなことをしても無駄だ。

         アメリカにも影響が出る」

 

とアメリカを威嚇したが、

 

その好戦的な姿勢を受けると、

トランプ大統領はすぐさま、

 

ファーウェイに対してアメリカ製品の

輸出を事実上禁じる規制を発令した。

 

◇ ファーウェイが世界各国に

     置いてある支店や子会社を通して

    アメリカの製品を販売するのも

   禁止される。

 

これだけでもファーウェイにとっては

致命的な問題なのだが、

 

グーグルがスマートフォンの

OSアンドロイドの最新版や

グーグルのサービスをファーウェイに

提供するのを停止するという発表が行われた。

 

これによって、ファーウェイは

アメリカの最新ハードとソフトウェアの

両面から断絶させられることになる。

 

これだけ、叩きのめされて

ファーウェイが無事でいられるはずがない。

 

ファーウェイは存続できるかどうかの

瀬戸際にまで追い込まれたと見ていい。

 

◇ そんな中で行われたG20で、

    米トランプ大統領はファーウェイに対して、

 

    事実上の禁輸措置を解除する考えを

    明らかにした。

 

水面下でどのようなやり取りが

行われたのかは定かではないが、

 

習近平大統領もかなり譲歩したのではないか、

と思われる。

 

◇ 今後、二国間貿易戦争が

    どのように展開するかはわからないが、

 

アメリカが妥協しない場合は、

 中国もまた否応なしに対抗せざる

を得ない状況になるわけで、

 

米中の溝はより深まり、

「新冷戦」が世界を変えていくことになる。

                                           つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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