◇「新冷戦」が始まった。
アメリカと中国の「対立」が
激しさを増している。
2019年5月、アメリカのトランプ大統領は
「中国との通商協議は遅すぎる。
中国側は再交渉しようとしている。ノーだ」
とツイッターに書き、
2000億ドル分の中国製品の関税を
10%から25%に引き上げると宣言した。
そして、有言実行で
25%の引き上げを実行した。
◇ 中国との通商協議は順調に進んでいると
考えていた投資家は不意を打たれ、
全世界の株式市場は
NY株式市場も含めて一気に下落、
悲観と楽観が交差して動揺は
今も収まっていない。
◇ そして、5月13日 、今度は中国が
「アメリカ製品600億ドル相当に、
報復関税として6月1日から
最大25%に引き上げる」
と宣言した。
中国外務省の耿爽報道官は、
「国外からの圧力に決して屈しない」
と強気のコメントを出している。
そして、6月末のG20で、
なんとか貿易交渉の再開に漕ぎ着けたが、
今後どうなるのか、まったく先が読めない。
◇ アメリカと中国の対立は
互いの報復関税でヒートアップしているが、
今後は人権問題・一帯一路・軍拡でも
どんどん対立が広がっていく可能性がある。
世界はこれを「新冷戦」と呼ぶ。
◇ 1990年代からアメリカは
中国に傾斜するようになり、
中国市場を次の草刈場として
育ててきた。
経済的に豊かになれば中国政府も
やがては民主化していき、
欧米企業も巨大化した中国市場で
莫大な利益を上げられるという
目論見があった。
しかし、中国政府は民主化するどころか
ますます独裁化していくようになり、
欧米企業を締め出したり
規制したりするばかりか、
欧米企業の知的財産の窃盗を
公然と行うようになっていった。
◇ 窃盗の方法は多岐に渡る。
技術を持った企業を根こそぎ買収したり、
中国に合弁会社を作らせて技術を
盗み取ったりするのは序の口だ。
ハッキングによってサーバーに
不正侵入して情報を盗み取ったり、
それぞれの企業に産業スパイを
潜り込ませて技術を盗み取ったり、
各国の経営者や政治家に
賄賂やハニートラップを仕掛けて
欲しいものを得たりすることも平気でする。
中国は、知的財産の強奪のために
やれることは、合法・非合法問わず、
すべてやっているのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!