Categories: 世界情勢

「新冷戦」時代がもたらすもの ①   vol.553

 

「新冷戦」が始まった。

 

     アメリカと中国の「対立」が

     激しさを増している。

 

2019年5月、アメリカのトランプ大統領は

 

「中国との通商協議は遅すぎる。

  中国側は再交渉しようとしている。ノーだ」

 

とツイッターに書き、

 

2000億ドル分の中国製品の関税を

10%から25%に引き上げると宣言した。

 

そして、有言実行で

25%の引き上げを実行した。

 

◇ 中国との通商協議は順調に進んでいると

    考えていた投資家は不意を打たれ、

 

全世界の株式市場は

NY株式市場も含めて一気に下落、

 

悲観と楽観が交差して動揺は

今も収まっていない。

 

◇ そして、5月13日 、今度は中国が

 

「アメリカ製品600億ドル相当に、

    報復関税として6月1日から

         最大25%に引き上げる」

 

と宣言した。

 

中国外務省の耿爽報道官は、

「国外からの圧力に決して屈しない」

と強気のコメントを出している。

 

そして、6月末のG20で、

なんとか貿易交渉の再開に漕ぎ着けたが、

今後どうなるのか、まったく先が読めない。

 

◇ アメリカと中国の対立は

   互いの報復関税でヒートアップしているが、

 

今後は人権問題・一帯一路・軍拡でも

どんどん対立が広がっていく可能性がある。

 

世界はこれを「新冷戦」と呼ぶ。

 

◇ 1990年代からアメリカは

     中国に傾斜するようになり、

 

  中国市場を次の草刈場として

  育ててきた。

 

経済的に豊かになれば中国政府も

やがては民主化していき、

 

欧米企業も巨大化した中国市場で

莫大な利益を上げられるという

目論見があった。

 

しかし、中国政府は民主化するどころか

ますます独裁化していくようになり、

 

欧米企業を締め出したり

規制したりするばかりか、

 

欧米企業の知的財産の窃盗を

公然と行うようになっていった。

 

◇ 窃盗の方法は多岐に渡る。

 

技術を持った企業を根こそぎ買収したり、

中国に合弁会社を作らせて技術を

盗み取ったりするのは序の口だ。

 

ハッキングによってサーバーに

不正侵入して情報を盗み取ったり、

 

それぞれの企業に産業スパイを

潜り込ませて技術を盗み取ったり、

 

各国の経営者や政治家に

賄賂やハニートラップを仕掛けて

欲しいものを得たりすることも平気でする。

 

中国は、知的財産の強奪のために

やれることは、合法・非合法問わず、

すべてやっているのである。

                          つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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