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中国のひとり勝ちはそう長くは続かない ② vol.547

 

まず、中国の国力を最初に示しておこう。

 

  経済規模を比較するのに

  一般的なGDP(国内総生産)の規模でみると、

 

米国(193906億$)についで、

12146億$で 中国は 世界第2

 

3位は48271億ドルの日本だが、

中国の経済規模はその 2.5倍 にもなる。

 

ここまで見れば、

世界2強の一角を占める中国と、

 

大きく水をあけられた日本

という構図になるが、現実は少々異なる。

 

◇ 中国の人口は約139000万人で、

    12500万人の日本の 11倍 にもなる。

 

人口が11倍で国力が2.5倍ということは、

個人レベルの所得はとても少ない。

 

GDPを人口で割った

一人当たりGDPで見れば、

 

日本が      38439ドル

対する中国は   8643ドル

 

5分の1程度でしかない。

 

◇ 一体、中国の労働者のうち、   

    日本人並みの給与をもらっている

    人の割合はどのくらいなのか。

 

経産省の推計によると、

2015年時点で先進国並み

(年収35000ドル以上)

の所得を得ている人は、

 

全体の  6.6% となる。

 

年収15000ドルと日本人の

4割程度の水準にまで広げても、

 

その割合は24.7%にしかならない。

 

国全体を眺めて、

人々の生活を語るなら、

 

まずはこの当たり前の数値を

念頭に置いて考えてほしい。

 

我々が日常的に目にしている

爆買い中国人観光客は

ほんの上位数パーセントのリッチ層であり、

 

欧米のトップ大学に進学して

初任給1300万円などで雇われている人は

さらにそのまたほんの一握りでしかない。

 

それでも14億人もの人がいる中国では、

こうしたハイパー人材だけでも

数十万人となってしまう。

 

だからマスコミには彼らのエクセレントな

生活・キャリアの情報が多々流れる。

 

それで、我々は、ほんの一握りの

裕福中国人が向こうの標準だと勘違いし、

 

彼らと比較して、

「今の日本人は」と焦りを感じる。

 

◇ 一方で、先ほどの経産省推計によれば、

   中国では年収15000ドル165万円)

   未満の人たちが就労者の75.3%であり、

 

うち、5000ドル未満(55万円)の

絶対貧困層が 32.6 もいる。

 

この数字にはトンビも大変驚く。

 

だからこそ、来日して最低賃金で

技能実習をしたり、

 

流通・サービス系の店舗で

バイトをしている中国人留学生が

大量にいるのだ。   

 

なるほど。   

 

中国経済の構図が少しずつ見えてきた。

                                       つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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