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年金と雇用は基本的にセットで考える ②   vol.541

 

◇ 政府の「人生100年時代構想会議」

   などが70歳までの継続雇用義務化を

   議論し始めた。

 

「70歳まで働ける社会」の実現は

目の前まで来ている。

 

しかし、公的年金の受給開始年齢を

70歳に引き上げる議論も始まった。

 

もし、法律を改正し、

経過措置を考慮しつつ

 

施行すれば10年以上先に

実施されることになるだろう。

 

引き上げが急務であれば遅すぎる。

 

これはどういうことなのだろうか。

 

決して政府がのんびりしてわけではない。

 

実は、日本で今起きているのは

「年金を受け取り始める年齢」

  の引き上げ議論を

 

「働ける年齢」の引き上げ議論が

初めて逆転し、上回りつつある

ということだと考えられる。

 

◇ これまでの

 

「年金が払えないから

    支給開始年齢を上げる」

 

という発想ではない。

 

「健康で働ける人々がより長く

   働くことのできる社会の実現」

 

を目指す中で、

 

それが年金受給開始年齢を

上回ろうとしている。

 

そして、これはおそらく世界的に見ても

先駆的な取り組みであり、

 

超高齢化に対して社会と個人が

取り得る最も有効な選択肢に

なると考えられる。

 

  100歳人生時代において

     老後の豊かさを確保するすべは

 

「退職金・企業年金による収入」

「自助努力による資産形成」
(個人型確定拠出年金=iDeCo=などの活用)

「高齢期の賃金収入」  の3本柱だ。

 

特に65歳以降も働けることは、

老後資金のための貯蓄期間を増やし、

 

取り崩し年数を短くするという

二重の効果が生まれる。

 

仮に22歳就職、65歳引退、

100歳没という年表を描けば、

 

現役時代 43年

リタイア期間 35年 となるが、

 

引退年齢を70歳に置くと

現役時代 48年

リタイア期間 30年 となる。

 

◇ 簡単にいえば、

    現役時代が10%くらい増えて、

    毎年の老後資金積み立てのノルマは軽くなる。

 

一方、リタイア期間が10%くらい短くなり、

必要な老後資金も10%減る理屈になる。

 

二重の意味で老後の準備に

余裕が生まれることになる。

 

しかも、公的年金の受給を遅らせれば、

年金を増額させることもできるし、

 

厚生年金保険料を納めて働き続ければ

年金額もアップする好循環が生まれる。

 

世の中では今でも、

 

「70歳まで働かされるのか……」

 

という悲鳴のような論調が強いのだが、

若い人ほど早く発想を切り替えたほうがいい。

 

むしろ、長く働くほど老後は

ぐっと楽しいものとなる。

 

皆さんは雇用の年齢が

年金受給開始の年齢を追い抜く時代の訪れを

当事者として見届けてほしいと思う。

                                       

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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