◇ 対ドルのウォン相場が、
一気に10ウォン以上も下落し、
1180ウォンまで迫った。
(※2019年6月7日時点)
1200ウォンは「マジノ線」と
呼ばれている。
マジノ線 :
フランス・ドイツ国境を中心に
構築されたフランスの対ドイツ要塞線
理由は、このラインを割って下げ続けると、
ウォン投機売りを誘い込み
一気に危機ラインの1400ウォンへ
持って行かれるリスクを抱えているからだ。
そのくらい重要なラインだということになる。
◇ 過去2回、韓国は通貨危機に陥っており、
塗炭の苦しみを味わった。
ウォン相場と関係の深い輸出は、
昨年12月から前年同月比
マイナスを続けている。
5月に入ってもこのマイナス基調が続き、
これで、6ヶ月連続で前年比マイナスとなる。
マイナス要因は、
先に指摘しました対中国輸出と
半導体輸出が振るわなかったためだ。
この2要因は、今後どうなるのか?
対中輸出と半導体輸出は回復するのか?
◇ 対中国と半導体は、
米中貿易戦争と密接に絡んでいる。
中国が米国へ輸出する多くの工業製品に
韓国製半導体が組み込まれている。
こうなると、米中貿易戦争が
解決しないかぎり、
韓国の輸出に展望が開けない。
米中貿易戦争が始まった時点で、
韓国は台湾などと並んで強い影響を受ける。
それが、いよいよ現実化することになる。
韓国政府は、これへの備えを
全くしていない。
内需を補強する手段を取っていない。
逆に、最低賃金の大幅引き上げで
失業者を増やす最悪事態を招いている。
◇ 4月の失業統計が発表になった。
4月の失業率は4.4%で、
前年同月比0.3ポイントの悪化。
若年層(15~29歳)の失業率は
0.8ポイント悪化の11.5%。
いずれも4月としては、
アジア通貨危機(1997年)の
影響が残っていた2000年以来の
高い失業率だ。
◇ 韓国の新年度は3月に始まる。
日本の4月よりも1ヶ月早い。
4月全体の失業率が4.4%、
若年層は11.5%と聞くと、
日本と比べて余りにも高い。
19年ぶりに高い失業者を出した
最大の要因は、
前述の大幅な最賃引き上げによるものだ。
韓国政府は、この最賃の大幅引き上げが
いずれ成果を上げると強調している。
その時期はいつなのか。
その時期について答えようとしない。
これでは、経済の「ヤブ医者」と
批判されるのは当然だ。
患者(国民)の病状(失業率)が
悪化しながら、「その内に直ります」と
言っているのと同じだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!