◇北朝鮮の金正恩は、
「将来的には完全非核化」
というニセの看板をぶら下げて、
アメリカと交渉しつつも、
全然完全非核化する意志などまったくない。
それをプーチンも知っていて、
言葉には出さなくても
事実上北の核保有を容認していることになる。
◇ では、なぜ北の核保有を支持するのか?
ロシアから西を見ると、
29か国の超巨大反ロ軍事ブロックが
迫っている。
彼からみると東だって油断できない。
アメリカの同盟国、日本、韓国がいるからだ。
そんなプーチン大統領から見ると、
北朝鮮は、アメリカ国の侵略を
止めてくれる「緩衝国家」となる。
緩衝国家は弱いより強い方が
いいに決まっている。
日本だって、かつてロシアの
南下政策を止めるために、
韓国が強くなってくれることを
望んでいた。
◇というわけで、プーチン大統領、
口では、「北の非核化を望む」
といいつつ、
「段階的非核化論」を支持。
これは、つまり
「北が核をもったまま制裁を解除し、
経済支援できる状況にして、救う」
という意味になる。
「では、なぜロシアは、
そもそも安保理の北朝鮮制裁に
拒否権を使わなかったのだ?」
という疑問は残る。
2017年、核実験、ミサイル実験を
狂ったように繰り返す北は
「絶対悪」の存在だった。
これを守ることは、ロシアにも難しかった。
そして、日本や韓国に、
「核武装の口実」を
与えないようロシアと中国は、
表向き「北の核武装に反対」の
立場をとらざるを得なっかのだ。
◇ 北朝鮮の金正恩とプーチンは会ったが
合意文書はなかった。
これはなぜか?
北は国連安保理の厳しい制裁下にある。
だから、ロシアは、表立って
「経済支援を実施する」とはいえない。
そういったら、「安保理決議違反」で、
アメリカは対ロシア制裁を強化することになる。
国連安保理は、ロシアに制裁できない。
なぜならロシアと中国が拒否権を使うから。
しかし、アメリカと欧州は、
独自制裁を強化することはできる。
だから、表向きは、
「世間話しただけ」ということになった。
実際は、
「制裁違反のこっそり支援を増やすこと」などで
合意した可能性は大いに考えられる。
◇ ロシアにとって、
「緩衝国家」北朝鮮が存続することは、
間違いなく「国益」だ。
さらに、金体制が存続することも「国益」だ。
だから、プーチン大統領は、
これからも北朝鮮支援をつづけていく。
そして、ロシア、中国、北朝鮮、韓国で
「段階的非核化論」を拡散し、
「アメリカだまし」を継続するのである。
◇ 日本はいままでどおり、
ぶれることなく、
「完全非核化したら、制裁解除、
体制保証、経済支援だ!」
で、これからもいくことになる。
それが日本の「国益」になるということだ。
完
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