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金正恩の非核化へのシナリオはでっち上げ ② vol.524

 

◇ では、彼は何を目指して

    ロシアに行ったのだろうか?

 

一つは、もちろん「経済支援」

受けるためだろう。

 

実際、北が存続しているのは、

中国とロシアが制裁違反の支援を

つづけているからだ。

 

もう一つは、

プーチン大統領とつながることで、

アメリカをけん制すること。

 

米朝関係がこのままだと、

北はじり貧になってしまう。

 

しかし、核実験、ミサイル実験を再開すると、

アメリカが攻めてくる可能性がある。

 

その時、

 

「俺のバックにはプーチンがいるぞ!」

 

「俺のうしろには習近平がいるぞ!」

 

というのは、一定の抑止力になる。

 

トランプ大統領も、中ロ北をまとめて

敵にまわしたくない。

 

◇ ロシアは、中国、韓国と共に

 「段階的非核化」を支持している。

 

北が「完全非核化」すれば、

アメリカが北朝鮮を攻めてくると

頑なに信じているからだ。

 

ではどうしてそこまで頑になっているのか?

 

◇ プーチン大統領のトラウマは

 NATO拡大」に他ならない。

 

199010月、ソ連は、

西ドイツが東ドイツを

編入することを認めた。

 

西ドイツは資本主義陣営であり、

東ドイツはソ連側の共産主義陣営だった。

 

ソ連は条件つきで、

西が東を吸収することを許可した。

 

条件とは、

NATOを東に拡大しないこと」

 

アメリカはそれを確約した。

 

◇ ところが、1999年、2004年、

     NATOは大拡大。

 

いまでは、東欧のほとんどの国、

そして、旧ソ連のバルト三国まで

NATOに加盟してしまった。

 

結果、ロシアは29か国からなる

「反ロシア軍事ブロック」

対峙することになった。

 

これがトラウマとなり、

プーチンはアメリカのいうことを

まったく信用していない。

 

◇ また、リビアのカダフィの例もある。

 

カダフィは03年、核兵器開発を停止し、

欧米と和解した。

 

しかし8年後の2011年、

NATO軍の空爆を受け、

 

欧米が支援する反体制派に

捕まって殺された。

 

というわけで、

できるだけ時間稼ぎをする意味でも

プーチンは「段階的非核化支持」なのだ。

 

つまりプーチンは、

 

「北の核保有を事実上認めている」

 

ということだろう。    つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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