◇ 厚生労働省は公的年金の
受給開始年齢を75歳まで
繰り下げられるようにする
検討に入った。
毎月の年金額は65歳開始に比べて
2倍程度とする方向だ。
いまは70歳開始が上限だが、
一段と高齢になってから年金を
もらう選択肢をつくる。
働く高齢者を増やす呼び水にし、
元気な高齢者に社会保障を支える側に
回ってもらうのが狙いだ。
◇ 公的年金をもらい始める年齢は
現在60~70歳の範囲で
加入者が選ぶことができる。
政府は2018年2月に閣議決定した
「高齢社会対策大綱」で、
70歳超への繰り下げを
認めることを検討する方針を
打ち出しており、
受給開始を何歳まで認めるかが
最大の焦点になっていた。
◇19年は公的年金制度の持続性を確認する
5年に1度の財政検証の年にあたる。
厚労省は今夏までにまとめる
検証結果を踏まえ、
社会保障審議会で受給開始年齢を
75歳まで繰り下げる案を軸に議論する。
20年中に関連法改正案の国会提出を目指す。
◇ 公的年金は国民年金と
厚生年金の2階建てになっているが、
両制度とも70歳までの繰り下げ受給を
可能にしたのは30年以上前。
この間、平均寿命は男女ともに
6歳程度延び、
元気に暮らすことができる
「健康寿命」も長くなった。
70歳を超えても元気に働く
高齢者は増えている。
「人生100年時代」をうたう政府は
現在65歳までの雇用を企業に義務づけている
高年齢者雇用安定法を改正し、
70歳まで就業機会が確保される
社会づくりを目指す方針だ。
◇ 厚労省はこれに合わせて
年金の受給開始時期の選択肢も広げ、
70歳を超えても働き続ける
高齢者を支援する方針。
人口減と少子高齢化が進むなかで、
支えられる側から支え手に回る
高齢者を増やす狙いだ。
つづく
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