◇ 公共交通との連携も重要になる。
米フォードは公共交通の
運営受託を開始しており、
トヨタは西日本鉄道などと
複数の移動手段を組み合わせた
ルート検索・予約・決済ができる
MaaSアプリ 「my route(マイルート)」
の実証実験を昨年11月から福岡市で始めている。
◇ MaaSが巻き起こすビジネスインパクトは
自動車・交通業界にとどまらない。
小売業や観光業のように人の動きが
決定的に重要な産業もあるし、
不動産業のように交通の利便性が
大きく影響する業界もある。
人とモノの動きに関係がないという
ビジネスを探すほうが難しい。
モビリティ革命はあくまで「手段」であり、
その先にある “果実” は世界がこれから模索し、
手にするものだ。
◇ 半導体大手の米インテルと調査会社の
米ストラテジー・アナリティクスは17年、
自動運転が実用化されたことを前提にすると、
世界のMaaSの市場規模は
2050年には 7兆ドル(約770兆円)に
なると予測している。
この見立ての正確さはともあれ、
MaaSが巨大な潜在力を
秘めていることだけは確かだ。
◇トヨタの「モビリティ・カンパニー宣言」
で幕を開けた18年は、鉄道事業者を中心に、
各企業のMaaSへの参戦表明が相次いだ。
昨年6月に閣議決定された政府の
成長戦略「未来投資戦略2018」の中でも
MaaSの実現がうたわれ、
18年は、さながら
「MaaS元年」の様相を呈していた。
モビリティ革命の巨大なうねりのなかで、
今、まさに全産業の改革が始まろうとしている。
完
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