Categories: 一般教養・雑学

100年に一度のモビリティ改革「Maas」で世の中こう変わる ④   vol.480

 

◇ それでは、MaaS によって

   自動車産業や公共交通に訪れる

  「破壊と創造」はどんなものか。

 

まず、公共交通事業者は、

マイカーに奪われていた客を

取り戻すチャンスだ。

 

欧州では、既にスイス鉄道や

ドイツ鉄道が MaaS の展開を始めている。

 

公共交通は「サービスとしてのモビリティ」

の元祖といえるが、

 

MaaS は公共交通事業者にとっては

サービス領域を広げるチャンスと

捉えられている。

 

国内でいち早くMaaS への参戦を

表明しているのも、

 

東日本旅客鉄道(JR東日本)や小田急電鉄、

東京急行電鉄などの鉄道事業者だ。

 

◇ 一方、自動車業界で MaaS に

   いち早く参戦したのは ダイムラー だ。

 

ダイムラーは鉄道以外の

あらゆる交通サービスを傘下に収め、

 

それを「moovel(ムーベル)」という

アプリでワンストップに提供している。

 

ドイツ鉄道とダイムラーは、

ドイツ国内で MaaS の主導権争いを巡って、

しのぎを削っているように見える。

 

◇ マイカー利用を半減させる MaaS は、

     自動車業界にとっては

     “敵” に見えるかもしれないが、

 

ダイムラーのように積極的に

サービス領域を取りにいくことで、

新たなチャンスが開ける。

 

MaaSは、確かにマイカーの

販売台数は減らすかもしれない。

 

だが、その分、配車サービスなどに

使用するサービスカーの需要は増えるし、

1台当たりの稼働率も高める。

 

それは整備需要の増加を意味するのだ。

 

◇また、OTA(Over the Air)による

    車載システムのバージョンアップや

     IoTを生かしたクルマの状態監視が

     広がっていくことで、

 

クルマはネットワーク端末化する。

 

スマホがさまざまなサービスの

土台となったように、

 

移動空間であるクルマは

スマホ以上に多様なサービスを生み出す

“ふ化装置” となる可能性がある。

 

生活者とのリアルな接点を持つ

自動車ディーラー網との

強いつながりを生かしながら、

 

移動以外のサービス提供を含めて

どれだけ自社の付加価値として

取り込めるかが、

 

自動車産業が MaaS 時代を

生き残れるかどうかのカギとなるだろう。

                                        つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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