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見えてきた文在寅政権の崩壊へのシナリオ ② vol.469

 

◇韓国経済を語るとき、

  必ず出てくるのが最低賃金の大幅引上げだ。

 

経済の実態を無視し、去年と今年で

約30%になる最賃引き上げに

耐えられる中小・零細企業は限られている。

 

それにも関わらず、

大幅引上げに踏み切った背景は、

 

文政権の支持母体が労働組合と

市民団体であるからだ。

 

彼ら仲間の要求を満たすことが、

韓国流道徳主義なのだろう。

 

その結果、多くの国民が職を失っても

われ関せずなのだ。

 

前記の支持母体は、

選挙運動になると大車輪で

活動してくれる大事な味方になるからだ。

 

◇ 多くの経済界の人々が、

     文大統領による1月10日の

    新年記者会見を見て、

 

    次のような結論を下した。

 

「新年の経済政策基調が

   これまでと大きく変わるとは思えない」

 

というものだ。

 

今回の新年の挨拶で、

文大統領は現政権の経済路線の

トーレードマークである「所得主導成長」と、

 

所得主導成長を支える核心政策である

「最低賃金引き上げ」は、

それぞれ1回ずつの言及に抑えた。

 

その代わり、経済・成長・革新

などの単語が踊った。

 

だが、演説の最後で、

『革新的包容国家』を成し遂げる」

と締め括った。

 

これによって、

最低賃金の大幅引上げの目的である、

 

分配政策重視の所得主導成長=包容成長

 

に異常にこだわっていることがわかる。

 

これを実現するためには、

失業者を増やし経済成長率を

低下させても構わない、

 

「革新的包容国家」のための

「必要コスト」という認識と思われる。

 

◇ また、文大統領は、

 

「一度も経験したことのない国をつくりたい」

 

とも言っている。

 

文氏にとってそれは「正しいこと」であり、

従って「変えられないもの」だ

という位置づけのようだ。

 

「一度も経験したことのない国…」とは結局、

自分たちはこれまでとは全く違う世の中をつくりたい、

という意味のようだ。

 

韓国の識者には、「革命をやりたい」

という意味に受け取られている。

 

◇ 文大統領が金科玉条とする

「革新的包容国家」は、

 

労働者が高い賃金を得て生活できる

理想図を描いている。

 

これを実現するには、

高い経済成長率を実現し、

公平な分配政策を行なうことになる。

 

文氏には、前段の高い経済成長率の

概念が消えており、

 

後段の高い分配率だけが頭にある、

偏った理想図に囚われているのである。

 

これは、とうてい実現不可能な代物だ。

 

文大統領が、この「革新的包容国家」

こだわるところに、

 

韓国式の「道徳主義」とは、

どいうものかが伺える。

 

自分の描く夢は絶対的に正しいものである。

 

従って、

反対する者は「不道徳者」であるという

位置づけとなる。

 

だから、最低賃金の大幅引上げが、

経済的混乱をもたらしても、

それは過渡的な現象である。

 

必ず軌道に乗って成功すると

確信しているのだろうか。

 

◇ 優れた政治家の条件は、

   自らの理想と客観的な現実のギャップを

   調和する能力が必要とされている。

 

すなわち、政治家としてのバランス感覚だ。

 

文大統領にはこれが著しく

欠けているように思われるのである。

 

◇ 韓国特有の「道徳主義」は、

    自己反省を伴わず、

 

   ひたすら相手を罵倒する手段に堕している。

 

日韓関係では、こういう道徳主義を

頻繁に聞かされる。

 

その度に日本は、嫌悪感を覚えるだけだ。

 

韓国も、こういう点に気付く時期だと思う。

              つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

 

 

 

トンビ博士

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