◇ 「自分の寿命が100%の確率で
わかっていれば、
老後資産の問題は解決できる」
と実は40代の頃から考えていた。
どういうことかと言うと、
たとえば自分が80歳ぴったりに死ぬと思えば、
80歳ぴったりに資産がゼロになるように
設定してしまえるわけで、
自分の死ぬ日が分かっていれば
非常に合理的に資産配分ができる。
自分がどれくらいの資産があって、
死ぬまでにどれくらいのグレードの
生活をしたいかで寿命を決めて、
計画的に金を使って資産が
ゼロになった時点で寿命が終われば、
まさに「有終の美」である。
◇ 老後の資金問題というのは、
貯金がゼロになってもまだ
生き続けていることの「恐怖」が
本質であると気づけば、
それに対する合理的なソリューションは、
貯金額と寿命を合致させることである。
つまり、自分の人生が何歳で終わるかを
最初から決めておいて、
それに合わせて資産管理をして、
その日が来たら自分で死んでしまえば
すべてがうまくケリがつく。
「それ以上は生きない」という
期限を設定すればいろんな問題が解決する。
自分の寿命が分かっているというのは、
意外に幸せなことなのである。
ただ「金がなくなったから死ぬ」とか
「介護されたくないから死ぬ」
そして、仮にそうすると決めても、
実際にはそれができる人は
そうはいないだろう。
トンビもそれができるかどうかは
その時になってみないとわからない。
◇ 話は少し逸れるが、
評論家の西部邁(にしべ・すすむ)氏は、
自分で自分の寿命を決めていて
それを実行した。
西部氏は、『保守の真髄』にも、
自死へのこだわりを、はっきりこう記している。
自然死と呼ばれているもののほとんどは、
実は偽装なのであって、
彼らの最後は病院に運ばれて
治療や手術を受けつつ
死んでいくということなのである。
換言すると自然死と呼ばれているものの
最終段階は『病院死』に
ほかならないということだ。
(中略)
「病院死を選びたくない」と
強く感じかつ考えている。
おのれの生の最期を他人に命令されたり
弄り回されたくないからだ。
このように言い残して、
2018年1月に入水自殺をした。
つづく
今日一日の人生を大切に!