◇ 人生100年が現実的になってきた。
そうなると長生きすればするほど
「生き延びる」ためのお金が必要になってくる。
いったいいくら老後のためにお金を
用意すればいいのだろうか。
老後必要なお金は、あなたがいつまで
生きるかによって当然変わってくる。
あなたは自分がこの世で何歳まで
生きると考えているだろうか?
そして、
何歳までこの世で生きたいだろうか。
80歳だろうか、それとも90歳だろうか。
◇ 織田信長は死に直面して
平敦盛(たいらのあつもり)の
「人間五十年、
下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」
と詠っているが、
1500年代の人間たちは
平均寿命は約50歳ほどであった。
しかし今の時代、
50歳で死んだら「若くして死んだ」と言われる。
日本人の平均寿命は2017年で
女性 87.26歳
男性 81.09歳 となっている。
今後、アンチエイジングの研究がさらに進めば、
もっと寿命が延びていくことは間違いない。
しかし寿命が延びることは
はたして手放しで喜べることであろうか。
◇ 資本主義の世の中では、
長生きすればするほど
「生き延びる」ために
お金が必要になってくる。
高齢化社会が深刻化する中で、
社会保障に対する財源も厳しくなり、
日本政府は「生涯現役社会」を
実現しようと画策している。
しかし実際のところは、
65歳も過ぎると体力的にも気力的にも
現役を貫くのは大変なことであり、
年金と貯金で生きていくのが現実の姿となる。
問題は、老後にいくらお金が必要なのか、
ということだ。
◇ 老後に必要な貯蓄額は
「1,000万円あれば十分」
という意見もある。
あるいは「5,000万円は必要」
という意見もある。
これはその人のライフスタイルによるので、
一概に「いくら」とは言えない問題だ。
しかし、仮に貯蓄額が1,000万円で
毎月10万円の貯金を
取り崩して生きるとすれば、
だいたい7年で貯金が底をつくことになる。
貯金を取り崩す1ヶ月の上限を
5万円にしたら14年は持つ。
ただし、14年の間にインフレが来たり、
重い病気になったり、事故に遭ったり、
リフォームや家族の不幸などの
不意の出費があったりするのは世の常なので、
そうなると14年も心許ない。
5,000万円あれば、それほど節約に次ぐ
節約はしないでも、何とかなるかもしれない。
だが、下手に長生きしたら、
やはりどこかで貯金が底をつく
可能性はゼロではない。
◇ 少子高齢化が進行する日本では、
このまま何もしないと社会保障費は
膨らむ一方なので、
年金が増額になる可能性はほとんどゼロに近い。
増額どころか少しずつ着実に減額になっていく。
長寿と貯金取り崩しの組み合わせは、
最終的には「資産ゼロ」に
向かう道なのである。
しかし、そうは言っても自分が
どこまで生きられるのかは
まったく分からないのだから、
その道に向かうしかない。
つづく
今日一日の人生を大切に!