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「世界の潮流は対立へ」その答えをドラッカーは知っていた ③ vol.445

 

◇ ピーター・ドラッカーは、

   青年期にヒトラーの政治的手法

  に代表されるファシズムを体験した。

 

全体主義によって人間や社会が

瞬く間に変容してしまうのを

目の当たりにしてきた。

 

この原体験が、彼を「マネジメント」

の研究に向かわせることになる。

 

「われわれは、人間の本質

   および 社会の目的についての

   新しい理念を基盤として、 自由で機能する

    社会をつくりあげなければならない。」

    (ドラッカー「産業人の未来」)

 

「ファシズムが二度と出現しないように、

   できる限り早く新しい自由な産業社会を

   作る必要がある。

 

 そして、その社会を作るのは、

   政府や政治家や官僚ではなく、

企業経営者(マネジメント)』だ」

 

と若きドラッカーは提言した。

 

経営やマネジメントこそが、

自由で機能する社会を築く上で

不可欠な条件だと確信したからだ。

 

ここに、多くの人が注目し、

General Motors(GM)の副社長から

同社を調査研究する依頼を受けることになり、

 

ドラッカーのマネジメントの世界への

入り口が開かれた。

 

◇有害なリーダーの過激な言動に

   同調してしまう心理の根底にあるのは、

 

人間の「不安」「不満」「絶望」

 

当然のことながら「経済的不満」

最も深いところにあるはずだ。

 

つまり、

仕事がない、給料が上がらない、

生活がどんどん苦しくなる、

 

という不満。

 

◇ そこでドラッカーは、

 

「個々人の能力を生かし、

   マーケティングとイノベーションによって

   顧客が喜ぶ価値を創造し、

 

  高い倫理観によって社会に貢献し続ける

  組織が増えることで、経済的な問題を民衆が

  自ら解決できるようになる。」

 

という答えを出した。

 

我々がが、毎日関わっている様々な仕事や

活動における「マネジメント」が、

 

幸福に人々が暮らせる健全な社会を

築く上で大きな力になると彼は考えた。

 

「マネジメントとは、

   現代社会の信念の具現である。

 

それは、資源を組織化することによって

人類の生活を向上させることができるとの信念、

 

経済の発展が福祉と正義を実現するための

強力な原動力になりうるとの信念の具現である。」

                         (ドラッカー「現代の経営」)

                                                  つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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