Categories: 一般教養・雑学

毎年1000人の東大合格者を出すZ会 vol.432

 

◇ 通信教育・学習塾のZ会。

 

一部の優秀な受験生のみぞ知るという

イメージが大きく変わろうとしている。

 

自分より規模が2倍の栄光ゼミナールを

2015年に買収。

 

その後も拡大路線を行く。

 

5年前に大政奉還で社長になった

創業家の3代目はまだ46歳である。

 

知られざる大学受験の世界をのぞいてみよう。

 

◇ Z会の答案用紙と添削。

 

あまりの難度で脱落する生徒も多かった。

 

こうした受講者も結構多い。

 

直接対面せずに難しい問題を解くには

高いモチベーションが必要だ。

 

Z会の名門のイメージはこうしてできた。

 

もともとの社名は「実力増進会」といったが、

受験生の間で「Z会、Z会」

隠語のように使われるうちに、

 

正式社名になってしまった。

 

その秘密組織的な会社が

大きく変わろうとしている。

 

◇ 2015年、同業で売上高が

    2倍もある栄光ゼミナールを買収し、

    受験業界をおどろかせた。

 

2017年には難関私大文系専門の

予備校「増田塾」

 

オンライン教育の「アオイゼミ」を運営する

葵(東京・新宿)を相次いで買収。

 

200億円にみたなかった売上高は

栄光の取り込みで 3倍に。

 

さらに2020年には

810億円まで拡大をめざしている。

 

◇ 大学受験の「トップ2」は駿台と河合塾。

 

   18年、東大への合格者数は

    駿台が  1400人

   河合塾は 1300人 だ。

 

一方、この2校と並び「三大予備校」と

称された代々木ゼミナールは、

 

2015年に27カ所あった校舎のうち

20カ所を閉鎖する事態に追い込まれ、

現在は合格実績を公表していない。

 

ここに食いこんだのがZ会だ。

 

通信教育・教室合わせた

東大合格者数は1000人。

 

ちなみに東大の定員は約3000人。

 

トップ3の合格実績を足しただけで

定員を超えるが、

 

これは教科ごとに塾を変える学生がいたり、

夏期講習や冬期講習だけの受講生を

カウントする予備校があったりするせいだ。

 

◇ 日本人の大学進学率は

    2000年度の39.7%から18年度に53.3%と

    右肩あがりで伸び続けている。

 

その間、景気低迷を受けて浪人の数は

約14万6000人から約10万人に減った。

 

代ゼミの大量閉校はこのためだった。

 

日本の18歳人口は同じ期間に

151万人から117万人まで減少した。

 

受験業界では、スマートフォンの

アプリを使った遠隔授業サービスも登場し、

新しい競争が始まっている。

 

市場が縮小するなかで

どんな変化にも対応できるように

構えを広げようとするが、

急な拡大にはリスクもある。

 

◇ それでも歩みは止められない。

 

Z会の背後には、人気講師を広告塔にする

東進ハイスクール(ナガセ)が

東大輩出700人で迫る。

 

ベネッセが2007年に買収した鉄緑会は

東大受験指導専門の触れ込みで、

18年に345人を輩出した。

 

東京・新宿のみに教室を構える

独立系のSEGも 121人

 

都内で3校舎を運営するグノーブルは

705人の在籍者のうち

118人を東大に合格させている。

 

今年ももうすぐセンター試験が始まる。

 

膨張を続けながら、Z会のブランドを

ますます研ぎ澄ます努力に終わりはない。

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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