◇何歳まで生きられるかは 神のみぞ知る。
100年以上前であれば
長生きリスクは親族が背負い続けるか、
背負えなければ悲劇的な末路となった。
しかし、今は年金がある。
(将来あるかどうかわからない)
長生きする限り、絶対に必要となる生活費を
国が払い続けてくれる仕組みが年金なのだ。
◇ 公的年金収入は一人ひとり異なる。
自営業者らが加入する国民年金は
未納状況に応じて減額される。
会社員らが加入する厚生年金は
加入年数が長いほど、
高い保険料を納めたほど、
将来の年金額が増額される。
また、夫婦がともに厚生年金に加入していた場合、
ダブルで厚生年金をもらえるので、
老後の豊かさはぐっと広がる。
先ほどのモデルは専業主婦を想定していたが、
夫婦ともに共働きで正社員であれば、
月額30万円 くらいに増える可能性がある。
仮に30万円とすれば、
19.6年の受取総額は 7056万円
24.4年で 8784万円
35年なら
何と1億2600万円 ということになる。
共働き正社員夫婦は、
今は子育てに、仕事にと、
忙しく日々大変だと思われるが、
最後は笑って老後を過ごせるはずである。
◇ ただし、この安心は会社員の夫婦の話。
自営業者は国民年金しか老後の収入がないので、
満額であっても 年間80万円 に達しない。
任意加入の国民年金基金、
個人型確定拠出年金(iDeCo)、
小規模企業共済など使える手段は
フルに使って老後に備える必要がある。
また、会社員でもお一人さまは
1人分の年金になるので、
月 15.6万円 程度に減額される。
これもやはり、
iDeCo などで老後の備えが必要になる。
さらに夫婦でも要注意なのは
共働きで子どものいない「DINKS」だ。
子育てをしなかった分、
生活水準が高くなりがちであり、
油断をしていると月30万円でも
まったく生活できない、ということになる。
やはり、計画的な蓄財を行うべきだろう。
それでも公的年金がなければ、
「老後の貯金目標1億円」という
無茶なハードルにくじけてしまう。
働き方に違いはあれど、
やはり、公的年金抜きの老後は
成り立たないのが現状である。
しかしその生活の柱の公的年金が
破綻したらどうするか?
100年前の時代と同様に
うば捨て山伝説が復活する可能性すらありうる。
これについては、また別の機会に。 完
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