◇ 今日のテーマは 公的年金。
国がわれわれの生活をどれくらい
支えてくれるのかを考えてみた。
老後の支えの柱は「年金」である。
まず、国の年金制度については
「払った分をもらう制度ではない」
ということを認識しなけれならない。
「働けなくなったら
加入の条件に応じて年金をもらう仕組み」だ。
本質的には年齢は関係ない。
何故かというと、
年金制度には障害年金や遺族年金が
含まれているからだ。
◇ 公的年金については
破綻リスクはないと
大半の人が考えているが、
これからの日本のメガトレンドを考えると
トンビはネガティブイメージを払拭できない。
つまり
「将来年金はもらえなくなる、
もしくは大きく減額される」ということ。
しかし、
「老後の一番の財産は公的年金収入」
だと信じてやまない人のために、
もし仮にもらえるのであれば
どのくらいもらえるのか、
考えてみることにする。
◇ 公的年金の加入者は
65歳を迎えると国が年金を支給する。
このとき、
標準的な世帯(会社員と専業主婦)の場合、
月額のモデル年金額は
22.1万円 となる。
「たったそれだけ?」と思うかもしれないが、
時給950円であれば、
230時間以上働かなければならないお金だ。
65歳超えてからも、
どちらかが29日働きづめか、
夫婦が15日ずつシェアして
ようやく得られる賃金額ということになる。
◇ 厚生労働省の17年
「賃金構造基本統計調査」 によれば、
大卒の初任給は
20.6万円 となっている。
つまり仕事をしなくても65歳からは
大卒初任給レベルの収入を得られる、
ということを我々は
まず理解しておく必要がある。
さらに、この年金額は「終身」で
支払われるところが本当に有り難い。
(ただしもらえたらの話)
「保険料を納めた額」をもらうのではなく、
個々の人生の長さに応じてもらえるのが年金だ。
このため、70歳前後で亡くなられた方と、
90歳以上長生きした方では、
受取総額が異なってくる。
◇ 先ほどの夫婦 22.1万円 を男性の
65歳時点での平均余命19.6年で計算すれば、
受取総額は 5198万円 となる。
女性の65歳時点での平均余命は
24.4年であるから
これで考えると何と 6471万円 になる。
人生100歳時代が到来したら、
仮に65歳から100歳まで35年
夫婦が元気であれば、
受取総額は 9282万円 に達する。
国から5000~6000万円もらえるというと
にわかには信じがたいが、
全国の年金生活者がもらっている年金は
それくらい大きさになる。
(ただしもらえたらの話)
つづく
今日一日の人生を大切に!