◇ トンビには中国でビジネスを
している友達がいるが、
先日中国の中部にある工場を
彼が訪問した時の話を聞いて、
度肝を抜かれたというか、
考えさせられる出来事があったので
本日はその内容を紹介する。
◇ 彼が訪問したエリアは 湖北省
と呼ばれる中国中部にあるエリア。
上海から高鉄と呼ばれる新幹線を使うと
最速で4時間で行ける場所である。
都心部は都市開発を急速に進めていて
地下鉄工事や商業施設、
誘致を受けた工場などの工事の真っ只中。
まだ下町のエリアは残っているものの、
建設ラッシュが始まった姿は
十数年前の上海を彷彿とさせる。
◇ 一般的な庶民が食す軽食を扱う店舗は、
上海に比べると3割から半額程度の値段設定。
もちろん生活費が安い訳ですから給与も低く、
繁華街で見かけた日本レストラン募集の給与は
3,500元(約5.8万円)
若手サラリーマンの給与でも
4,000元程度(約6.5万円)とのことで、
この辺も上海などに比べ賃金も
4割くらいは安い。
◇ そんな周辺情報を教えてもらいつつも、
訪問先の工場が完全な「中華系企業」
であったため、
勝手に「工員が多く働いているのだろう」と
想像しながら話しを聞いていたのだが、
それが完全な間違いであることがわかった。
◇ 彼が訪問した工場構内は、
整然とされていて非常にキレイ。
そして何よりも驚いたのは
「人がいない」 こと。
基本的に機械が加工を行い、
工員は部材を準備している程度。
整列された工場機器に
数えるほどしかいない工員達。
想定外の内容だったのである。
工賃が安いエリアに工場があるので、
数多くのスタッフを雇い製造を
行っていると思っていたのが、
カナリ機械化を進めているようだ。
◇ 中華系企業だが、
彼が会った相手は 日本人。
業界に精通していて、
「ヘッドハンティング」で採用された人であった。
与えられた使命は
企業の効率化やカイゼン
その為ある程度の費用が掛かっても、
自動化や無人化など「人を減らせる提案」
を求めているという事であった。
工賃が高い日本で自動化や無人化を
進めるというのは理解できるが、
工賃が安い場所でも
自動化や無人化を進める中華系企業。
日本人には考えられないかも知れないが、
その背景には少しでも
条件の良い給与先を求めて、
ある一定の年齢までは転職を繰り返すという
中国人スタッフの姿がある。
雇う側からすれば、
仕事を覚えた頃には転職。
人の入れ替わりが激しいと、
ルールの徹底ができず品質が安定しない。
そこで、生産の標準化を実現するために、
費用がかかっても自動化や無人化を進めて、
一定の標準化や規則に従うよう
管理を行いたいということのようであった。
つづく
今日一日の人生を大切に!