◇ 4G も進化していく。
しかし、いくら革新的な通信規格であっても、
それが社会にあまねく広がらないと
宝の持ち腐れとなる。
来るべき 5G時代 には何を考え、
どう行動していくのか。
まず、大前提として
5Gの時代には、LTE(4G)も進化していく。
5GでもLTEでも、
用途に応じて使うインフラを変えられる。
ソフトバンクは、
「Massive MIMO(マッシブマイモ)」
という技術を、世界に先駆けて4Gに導入。
5Gの必須要素とされる技術で、
これまで大人数でシェアしていた通信を、
一人一人に割り当てる。
こうした技術革新により、
「ギガモンスター」をはじめ、
LTEでもある程度、高速・大容量の
通信サービスを提供できている。
◇ 一方、5G には弱点がある。
周波数が高いゆえに直進性も高く、
ビルなどの障害物に遮られやすいのだ。
そこで、ソフトバンクは、
LTEも5Gもそれぞれ増強することで、
より多くの企業のニーズに応えられる
プラットフォームになることを目指している。
5G の時代には、
スマホ側の課題もクローズアップされる。
毎秒10GBもの大容量データを
処理できる端末がすぐに出てくるとも思えない。
そこで採用するのが、
エッジコンピューティングである。
◇ 例えば、基地局の裏に高性能なマシンを並べ、
そこでデータを処理する。
データを加工し最適化すれば、
スマホに負荷をかけずに済む。
データをクラウドに上げればいいと
思われがちだが、
そもそもクラウドから端末に
届けるまで時間がかかる。
あくまでもエッジで処理
(端末の近くのネットワークで分散処理)
することに意味があるのだ。
◇ 新しい企業連合が生まれる。
10月、ソフトバンクは
自動運転技術などを見据え、
トヨタ自動車と手を組むことを発表した。
新会社「MONET Technologies」
(モネ テクノロジーズ)
を共同出資で設立し、
18年度中に事業に乗り出す。
将来的に5Gを事業に活用することは
間違いないはずだ。
5G時代には、
こうした新しい企業連合が
次々と生まれるだろう。
ソフトバンクは、自動運転など
次世代の移動サービス(MaaS)を
見据えてトヨタ自動車と提携した。
折しも、このほど開かれた
総務省の公開ヒアリングで、
5Gのプレサービスが19年夏にも
始まることが明らかになった。
予定より1年前倒しされることになる。
コンシューマー(消費者)一辺倒ではなく、
さまざまな業種に顧客が広がる。
最もいい形でインフラを
提供できたキャリアが勝つと思う。
◇ ソフトバンクは近年、
投資会社としての側面を強めている。
次なるフェーズを見据えて態勢も大きく変え、
世界有数のイノベーティブな会社を
自らの投資のポートフォリオに入れている。
自分たちが(イノベーションを)
起こせないのなら、
起こせた人を連れてくる、
というのも一つの戦略かもしれない。
映像一つをとっても
サービスはいくらでも作り込める。
新たなインフラに、インパクトのある
サービスをどのように盛り込んでいくかは、
まさにキャリアの腕の見せどころだ。
映画でみたようなワクワクする世界が
すぐそこまで迫っている。
完
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