◇ 原告の元徴用工は新日鉄住金の
源流である日本製鉄で働いた男性4人で、
うち3人は死去している。
05年に韓国で提訴し一審と二審は敗訴。
12年に最高裁が
「植民地支配に直結した不法行為
に対する損害賠償請求権を
協定の適用対象と見るのは困難」
との初判断を示し、
二審判決を破棄して高裁に差し戻した。
これを受け13年にソウル高裁が
請求通り計4億ウォンの賠償を命じ、
新日鉄住金が不服として上告していた。
◇ 韓国の徴用工判決。
日本側は、政治家もメディアもインテリも
無邪気な韓国批判の大合唱だが、
彼らは日本の弱点を知らない。
外務省は正直に政治家に説明をするべきだ。
過去、日本人の戦後補償を否定するために、
平和条約などでは個人の請求権は消滅しない
と理屈をこねていたことを。
日本の最高裁も、個人の実体的請求権の
完全消滅までは言い切っていない。
外務省は外交保護権の消滅。
最高裁は訴権の消滅。
さらに世界では宗主国が旧植民地に対して
悪しき効果が残存している場合には
責任を負う流れにもなっている。
この辺を踏まえて、
国際裁判所で勝つ方法を考えなければならない。
今一度、『請求権並びに経済協定』
の第二条を確認してみよう。
第二条では、これにおいて
「両国は請求権問題の
完全かつ最終的な解決を認める」
と明記されている。
この第二条は極めて重要だ。
これにより国家対国家としては、
「その国民(法人を含む。)の財産、
権利及び利益並びに両締約国及び
その国民の間の請求権に関する問題」が、
すべて「完全かつ最終的に解決された」わけだ。
これの意味するところは、
「個人の実体的請求権の完全消滅」ではなくて、
請求権の行為の対象が
「日本政府から韓国政府に移行した」
ということになる。
これにより韓国人徴用工などへの補償は
韓国政府が行うことになったということだろう。
そうなると、今回の判決はたしかにおかしい。
この判決を受けて、
韓国政府がどのような対応に出るかが
今後の焦点になる。 完
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