◇ トヨタ自動車は 2019年から、
毎月一定の料金を払えば複数の車を
手軽に乗り換えられるサービスを始める。
高級車「レクサス」などを
自家用車のように使いながら、
複数の車を入れ替えることができる。
また販売店を拠点にした
カーシェアリングも全国展開する。
◇ 所有にこだわらないシェア経済が
広がるなかで、新車販売だけに頼らない
新たな事業の柱を探るトヨタが始めるのは、
「サブスクリプション(定額制)」のサービス。
日本の自動車メーカーによる
本格的な定額サービスは初めて。
◇ 例えばレクサスのセダンを一定期間使った後、
多目的スポーツ車(SUV)に
乗り換えることなどを想定する。
トヨタは19年1月にも、
まず東京の直営店から始めて、
全国に広げる見込み。
トヨタが新サービスに
必要なシステムを構築し、
販売店の車を活用する計画。
多様な車種を試す機会を増やし、
将来の購入につなげる狙いもある。
◇ 海外では独BMWが米国テネシー州で、
新車のサブスクリプション型サービスを
月額約1100ドル (約12万4千円)
から提供している。
日本でも中古車販売大手の
IDOMがBMWと10月から新車で、
月額約8万円からサービスを始めた。
トヨタの新サービスの価格や
利用可能な車種は未定だが、
同程度の水準になるとみられる。
◇ 1つの車種を購入する場合より
月額の支払いは割高になるが、
整備や保険などの手間や費用は不要になる。
また全国に約5000店ある販売店向けに、
スマホで予約や決済ができる
カーシェアリング事業の
システム提供も始める。
短時間や数日だけ車を使いたい
といった用途を想定しており、
販売店の試乗車を貸し出す。
全国の販売店は4万台の試乗車を持つが
平日は稼働率が低く、有効活用する。
◇ ネットで申し込める個人向けの
カーリースも始める。
同じ車種を長く使う消費者向けのサービスで、
ネットで手続きして最寄りの
トヨタ系販売店で車を受け取る。
従来のリース期間より短くし、
車の保有に関心の薄い顧客を取り込む。
日本自動車リース協会連合会によると、
国内の個人向けリースの
保有台数は4年連続で増え、
18年3月に過去最多の
約25万7千台 となった。
22年度に4倍近くに増える試算もある。
◇ 「所有から利用へ」という消費の変化が
広がるなか、
国内のカーシェアリングの会員数も
132万人(18年3月)と、
5年前の4.5倍に急増している。
一方で、17年の新車市場は
520万台と5年前から横ばいだ。
ピーク時の1990年と比べ、
約3割減った。
トヨタ系販売店の一部は既に小売店や外食、
学習塾などの併設を始めて、
収益源の多様化を急いでいる。
新車販売だけでなく、
消費者との接点を増やす
サービスを拡充しようとしている。
カーシェアリング、個人向けリース、
そして今回の
サブスクリプションサービスにより、
個人での車の購入する時代は、
そろそろ終焉を迎えることになる。
時代は確実に変化しているのである。
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