モビリティ改革によりクルマを買う時代は終わる ②      vol.381

 

◇ MaaSが生まれた背景は、

 

   従来の「クルマを保有するスタイル」から、

 

「どのようにクルマを活用するか」

 

に変えることだ。

 

1人当たりの支出項目で、

住宅関連に次いで2番目に大きいのが

移動に関する支出。

 

西ヨーロッパでは、1人当たり300ユーロ/月を

(約4万円)支払っていて、

モビリティ関連の支出は情報通信の10倍もある。

 

移動に関する支出額の実に85%が

クルマの保有コストといわれ、

 

鉄道やバス、タクシーなどに対しては

十分にマーケットが開かれていない。

 

これほど負担の多いクルマを保有するよりも、

タクシーや鉄道、バスを組み合わせて移動したり、

 

必要なときに高級車を借りたりするくらいで

十分ではないだろうか。

 

◇ 使うものだけにお金を払えば、

    フェラーリに乗ることも可能になる。

 

そのようにライフスタイルを変えれば、

クルマの購入や駐車場料金などの保有に

関わる支出を減らすことができ、

 

駐車場も最低限で済むから

都市空間の有効活用につながる。

 

これは、日本でも同様のことが言える。

 

◇ 東京は特に駐車場料金が高く、

    50%以上のクルマが1週間に1回以下

    しか利用されていない。

 

その意味では、世界で最もMaaSに

適した都市だとトンビは感じる。

 

クルマの所有を減らすかもしれない

MaaSの動きに、自動車メーカーは戦々恐々だ。

 

自動車メーカーはクルマの製造・販売を

今まで通り継続したいが、その市場には限りがあり、

 

事業拡大を続けるために、

 

自動車マーケットとモビリティマーケットを

合わせる必要に迫られている。

 

◇ 例えば、独BMWは、16年の

     FIAモビリティカンファレンスで

「すべてはモビリティを売るためだ」と発言。

 

米ゼネラルモーターズのCEOも、

同年の世界経済フォーラムで

 

クルマ産業が今後5年間で、

   過去50年間に比べて大きな変化を

    遂げると予想する」と語るなど、

 

多くの自動車メーカーは

将来的にモビリティプロバイダーに

なろうとしている。

 

◇ 移動に関する支出のほとんどは

     クルマの保有コストで、

 

公共交通やタクシーなど

他の移動サービスには 15%しか使われていない。

 

もしクルマを保有するマーケットが解放されれば、

公共交通などへ個々人が支払う額が増え、

 

公共交通は自家用車の保有と

競争することができる。

 

自家用車の負担がなくなると、

公共交通をはじめとするモビリティサービスに

支払う余裕が生まれる。

 

◇ 都市によるが、人は平均的に1日4回、

    約7km移動する。

 

その際、自家用車を使うのではなく、

公共交通や自転車に乗ること、

そして歩くことで、

 

より安い移動手段に

シフトさせようというのが、

 

MaaSグローバルが

展開するアプリ「Whim」のロジックだ。

 

アプリ「Whim」は16年にサービスを開始し、

その後に一般サービスへ広げた。

 

18年4月には、英国のウェストミッドランドで

月額定額プランを含むサービスを開始。

 

ベルギー、オランダ、オーストリアでも

開始の準備をしている。

 

加えて、シンガポール、カナダ、

米国、ヨーロッパの都市と調整をしている。

 

MaaSは 一つのムーブメントだ。

 

クルマを個人で買う時代は終わりを告げる。

 

MaaSが未来の社会のあり方を

大きく変えるのは間違いない。

                                   

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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