◇ ドナルド・クリフトンと
ポーラ・ネルソンによる
著書「強みを活かせ!」には、
動物の子供たちをバランスよく
成長させることを目指している
森の学校の話が出てくる。
◇ 子ウサギが学校に行くと、
ランニングとジャンプの授業を
受けることになりました。
子ウサギはこの科目が得意で大好きでした。
子ウサギは学校から帰ったあとも
興奮冷めやらぬ様子で、
翌日学校に行くのが待ち遠しくて
しかたありませんでした。
2日目、学校に行くと、
授業は空を飛ぶことと水泳でした。
子ウサギはそのふたつが全然できなくて、
学校が大嫌いになりました。
子ウサギはすっかり落ち込み、
しょんぼりと家に帰りました。
家で子ウサギが学校をやめたいと話すと
両親は、
「学校には行かなくてはいけないよ。
何でもできて、初めて
将来成功することができるんだ」
と相手にしてくれません。
次の日、子ウサギが学校に行くと、
今度は空を飛ぶ授業と
水泳の補習を受けることになりました。
子ウサギはその能力が
足りていなかったからです。
一方、ランニングとジャンプの授業は
取りやめになりました。
こちらの科目はよくできているから、
それ以上の練習は必要ないとされたのです。
◇ これは、たとえ話だが、
残念ながらこれに似たようなことが、
学校から企業までのほとんどの組織で
実際に行われている。
たしかに、弱い部分を
無視するべきではない。
私たちは組織に属しているため
仕事に必要なスキルを
誰もが習得する必要がある。
しかし同時に相手の強みを
無視することなく、
才能や能力を育てるために
最大限の力を注ぐことも大事なことだ。
営業が苦手な社員に今度聞いてみよう。
「あなたの強みはなんですか」と。
もし他に強みがあれば、
営業はある程度目をつぶって、
強みを伸ばす育成を
するべきなのかもしれない。
しかし、そしたら当然
「誰が営業をするのか」
という問題も出てくる。
それは、営業が苦手な社員以外の人が
するということになる。
不公平感があるのがこの世の中だが、
当然ビジネスも効率が求められる。
どこに資源を投入して、
どの人に資源を投入して、
短時間にどういう結果を出すのかを、
常に考えておかなければならない。
<今日の名言>
並以下の能力を向上させるために
無駄な時間を使ってはならない。
強みに集中して取組むべきである。
無能を並の水準にするには、
一流を超一流にするより
はるかに多くのエネルギーを必要とする。
しかるに、あまりに多くの人たち、
組織、そして学校の先生たちが、
無能を並にすることに懸命になっている。
資源に対しても時間にたいしても、
有能な者をスターにするために
使わなければならない。
P.F ドラッガー
今日一日の人生を大切に!