◇ 歴史は繰り返すと言うが、
何度も何度も実際に繰り返すのは人間。
そしてもっと正確に言うと、
同じ人間が繰り返すのではなく、
歴史を学ばない人間が、
過去と同じような失敗をするだけなのだ。
◇ これまでにもいくつか、
詐欺的手法について書かれた本があるが、
それでも騙される人は後をたたない。
本日ご紹介する名著
『詐欺とペテンの大百科』の本のオビには、
「一人を騙せば犯罪だが、
みんなを騙せば経済政策?」
と書かれており、
なるほどなあ、と思った次第だ。
◇ 『詐欺とペテンの大百科』は、
人がなぜだまし、
だまされ続けるかという
永遠のテーマに迫る古典である。
事例の中には、まだ一般に知られていない
恐るべき手口も数多く収められている。
その一例は次のとおり。
200人のリストの中から100人に「株が上がる」、
残り100人に「株が下がる」と電話をかけ、
次に当たった人の100人の中から
同様に50人に絞り込む。
残った50人はこのインチキ投資予想家を
信用して大金を預ける。
もちろん、その金は持ち逃げされ、
戻ってこない。
◇ 中には、これ試してみようかなと、
ふと 思うような秀逸なものもある。
相手が個人であれ、国家であれ、
詐欺に遭えば財産を失ってしまうのはみな同じ。
だからその手口を事前に
知っておくことは大事なことだ。
ぜひ本書を手にとってほしい。
<今日の名言>
大王が海賊に
「海を荒らすのは、どういうつもりか」
と問うたとき、
海賊は臆することなく
「陛下が全世界を荒らすのと同じです。
わたしは、小さな舟でするので盗賊といわれ、
陛下は大艦隊でなされので皇帝と呼ばれるだけです」
と答えた。
アウグスティヌス「神の国」
今日一日の人生を大切に!