◇ 自家用車の保有者が定期的に通す車検。
その費用の高さに驚くことはないだろうか。
そもそも車検って、何で必要なんだ?
「ウチは格安車検です」
「安くて早い車検です」
こんな広告やチラシにつられて、
「それならば」と車検業者に
自家用車を持ち込んだものの、
その費用を聞いて驚いた人もいるだろう。
しかも、その料金は業者によってかなり違う。
部品の交換を迫られ、
追加料金も取られてしまう場合も多い。
インターネット上での
価格比較サイトもあるなかで、
なぜ、ユーザーが不満や疑問を抱くような
料金設定がまかり通るのだろうか。
◇ ここに新車登録してから
13年経過した乗用車を、3カ所の
整備工場に持ち込んだ見積がある。
ガソリンスタンドが運営する整備工場
見積額は 7万642円
車検チェーンショップ系の整備工場
見積額は 9万7678円
乗用車メーカーのディーラー
見積額は 16万8404円
なぜ、ここまで差が出るのか。
車検ビジネスに詳しい
日本総合研究所の主席研究員は、
「部品交換の基準は
整備工場や整備士でバラバラだからだ」
と指摘する。
ある地方の整備工場の担当者がささやく。
「こちらも商売。
いかに必要かを納得させて
交換を促すかの技量が問われる」
ユーザーの無知につけこんで、
替えなくてもいい部品を
押し込むことも可能というわけだ。
こんな不透明な料金体系が
まかり通る背景を探る前に、
そもそも車検制度とは何なのかを
整理しておこう。
◇ 車検は自動車検査登録制度の
略語と言われている。
自家用車の場合、
新車登録から3年経過したとき、
さらに以後2年ごとに行う
「継続検査」のことを指す。
車両が道路を安全に走行できるか、
排ガスなど環境基準を満たしているかを確認。
問題がなければ、重量税、自賠責保険料、
印紙代の「法定費用」を納めて、車検合格となる。
検査基準は「保安基準」とも呼ばれ、
1951年に制定された「道路運送車両法」
に基づいている。
国が認めた場所で、
資格を持つ検査員しか検査できない。
設備や資格を持つ検査員がいるなど
一定の基準を満たしたところは
「指定工場」として、その場で車検業務もできる。
つづく
今日一日の人生を大切に!