◇ ある国に悲しみにとらわれてしまった
王様がいました。
王様は医者から薬をもらっても、
知恵ある相談役からアドバイスをもらっても、
胸の中の悲しみを消せず、
日に日に元気がなくなっていました。
宮中ではもうどうすることもできず、
使いが国中に送られ、
王様を治した者には報酬を
与えると伝えられました。
専門家たちが宮殿にやってきて
力の限りを尽くしましたが、
効果はありませんでした。
◇ 数日後、汚れた服を着た老人が
宮殿の門までやって来て言いました。
「私は農民です。
いつも自然から多くのことを学んでいます。
王様を助けにきました。」
王様の腹心は、
「おまえのような者の助けなど
必要としていない」
と門前払いしました。
それではお会いしてくださるまで、
ここで待ちましょう。
◇ 王様の症状は日増しに
悪くなっていきました。
悲しみと無力感に打たれ、
苦しみは永遠に続くかのようでした。
万策が尽き、ついに相談役は
老人を招き入れました。
老人は黙って王様に近づくと、
素朴な木製の指輪を渡して去っていきました。
王様は指輪に刻まれた言葉を読むと、
それを指にはめました。
すると何ヶ月ぶりに王様に
笑顔がもどったのです。
「何が書かれていたのですか、陛下」
と相談役は尋ねました。
「たったの4つの言葉だ」
と王様は答えました。
「それも、また、必ず、さる」
あなたがつらい気持ちでいるとき
「それも、また、必ず、さる」
と思い出してください。
<今日の名言>
どんなものが来ても、
それもまた必ず去っていく。
詩人エラ・ウィーラー・ウィルコックス
*どんな感情も永遠に続くことはありません。
すべて去っていくものなのです。
今日一日の人生を大切に!