それもまた必ず去る vol.327

 

◇ ある国に悲しみにとらわれてしまった

     王様がいました。

 

王様は医者から薬をもらっても、

知恵ある相談役からアドバイスをもらっても、

 

胸の中の悲しみを消せず、

日に日に元気がなくなっていました。

 

宮中ではもうどうすることもできず、

使いが国中に送られ、

 

王様を治した者には報酬を

与えると伝えられました。

 

専門家たちが宮殿にやってきて

力の限りを尽くしましたが、

 

効果はありませんでした。

 

◇ 数日後、汚れた服を着た老人が

    宮殿の門までやって来て言いました。

 

  

「私は農民です。

 いつも自然から多くのことを学んでいます。

 

  王様を助けにきました。」

 

王様の腹心は、

 

「おまえのような者の助けなど

       必要としていない」

 

と門前払いしました。

 

それではお会いしてくださるまで、

ここで待ちましょう。

 

◇ 王様の症状は日増しに

     悪くなっていきました。

 

悲しみと無力感に打たれ、

苦しみは永遠に続くかのようでした。

 

万策が尽き、ついに相談役は

老人を招き入れました。

 

老人は黙って王様に近づくと、

素朴な木製の指輪を渡して去っていきました。

 

王様は指輪に刻まれた言葉を読むと、

それを指にはめました。

 

すると何ヶ月ぶりに王様に

笑顔がもどったのです。

 

「何が書かれていたのですか、陛下」

 

と相談役は尋ねました。

 

「たったの4つの言葉だ」

 

と王様は答えました。

 

「それも、また、必ず、さる」

 

 

あなたがつらい気持ちでいるとき

 

「それも、また、必ず、さる」

 

と思い出してください。

 

 

<今日の名言>

どんなものが来ても、

それもまた必ず去っていく。       

 詩人エラ・ウィーラー・ウィルコックス

 

*どんな感情も永遠に続くことはありません。

 すべて去っていくものなのです。

 

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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