Categories: 一般教養・雑学

日本人の死因の1位である「がん」にならないために  vol.294

 

◇ その人の生活習慣と密接に

    関わっていることは周知の事実です。

 

たとえば肺がんは、喫煙だけでなく

受動喫煙によっても発症リスクが

上がることが分かっています。

 

胃がんの場合は、喫煙に加え、

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染も

発症リスクを上昇させます。

 

では、男女ともに罹患率が高い

大腸がんはどうなのでしょうか。

 

◇ 国立がん研究センターでは、

     国内外の最新の研究結果を基に、

 

     日本人のがんと生活習慣との

     因果関係の評価を行い、

 

ホームページで公開しています。

 

この評価は、

 

「データ不十分」⇒「可能性あり」

                 ⇒「ほぼ確実」⇒「確実」  

 

  の4段階の順に

科学的根拠としての信頼性が高くなっています。

 

◇ この評価によると、

    大腸がんのリスクを高める要因の中で

 「確実」になっている唯一の要因が飲酒です。

 

次に信頼性が高いのが「肥満」

「ほぼ確実」となっています。

 

国立国際医療研究センターで

合計約20万人のデータを解析した研究では、

 

男女ともに過度の飲酒で大腸全体

そして結腸、直腸がんのリスクが

上がるという結果になりました。

 

◇ ご存じのように、日本人は人種的に見ても

    アルコール耐性が弱い方が多くいます。

 

アルコール耐性の強い欧米人は、

1日2合未満の飲酒では大腸がんのリスクが

上昇していないのに対し、

 

日本人は1.4~1.8倍もリスクが上がります。

 

しかし、飲酒が大腸がんを引き起こす

メカニズムはまだはっきりと

解明されていません。

 

アルコールの代謝産物である

アセトアルデヒドには発がん性があり、

 

これを分解する酵素の働きが悪い人や、

日常的に多量飲酒が習慣化している人は、

アセトアルデヒドの毒性に

さらされる時間も長くなります。

 

しかし、アルコールの代謝に関わる

遺伝子型と大腸がんの関連性を

調べた最近の研究では、

 

必ずしも明確な関連性は出ていません。

 

このため遺伝的な体質ではなく、

 

腸内細菌の働きによって

アルコールから生成された

アセトアルデヒドが葉酸の吸収や働きを

阻害することにより、

 

大腸がんの発生リスクが高まるのではないか

 

という説が有力になっています。

 

また飲酒が確実にリスクを高めるがんは、

大腸がんだけでなく、

 

食道がんや肝臓がんもあります。

 

がんになるリスクを避けるために、

みなさんも適量飲酒を心がけましょう。

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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