◇「日光東照宮」の陽明門は、
日本を代表する楼門(ろうもん)建築です。
陽明門は、「グリ紋」(渦巻き文様)が
彫られた12本の白い柱で支えられています。
この柱の中に1本だけ、
彫刻の模様が逆向きになった
「逆柱(さかばしら)」があります。
これは、誤って逆向きに
建てられたわけではありません。
「建物は完成と同時に崩壊がはじまる」
という伝承を逆手にとって、
建築されたものです。
未完成こそが最強の戦略である。
◇ 「満つれば欠くる世の習い」
満月になった月がやがて欠けていくように、
栄華を極めたものはやがて衰退に至る
という故事があるように、
わざと不完全な柱を加えることで
魔除けにしたのではないか、
と言われいます。
「魔除けの逆柱」とも呼ばれています。
「あえて未完成にすることで、
崩壊を防ごうとした」
「あえて不安定にすることで、
安定感を得ようとした」
のでしょう。
◇「不均衡が実は均衡をもたらす」
という考えは、 家康の独自の理論
というわけではなく、
古来からあったと思われます。
「完成と同時に崩壊がはじまる」
という考え方は、
トンビの価値観のひとつでもあります。
トンビは、
「不完全な状態を作り上げることが完全である」
と思っています。
したがって人生のポートフォリオをあえて
「不完全な状態」にすることを目指しています。
やりたいことばかりではなく、
やりたくないこともする。
好きな人ばかりでなく、
苦手な人ともたまには付き合う。
すべてを排除せず、一部は保管する。
そういった姿勢、考え方で物事に臨むと、
より安定感が生まれるような気がいたします。
人生のポートフォリオは、
「美しくない」
からこそ、
「崩れにくい」のです。
今日一日の人生を大切に!