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アレックサ! 日本で税金を払いなさい ②   vol.257

 

「日本で商売をして儲かった金は、

     日本で税金を払うべき」というのは、

 

     普通に考えれば当たり前の話。

 

日本企業が、アメリカで商売をして

儲かった場合はアメリカで納税している。

 

にもかかわらず、

なぜこういう無理なことがまかり通ったのか?

 

実は、国際間の税金ではこういうことは、

よくあることなのだ。

 

他国籍企業やグローバルで

収入がある人の税金については、

 

関係各国で結ばれた「租税条約」に基づいて

課税されることになっている。

 

「租税条約」というのは、表面上は、

お互いの国が平等にできている。

 

しかし、細かい実務の運用となると、

両国間での協議となる。

 

そして、両国間の協議では、

その国同士の力関係 が大きくモノを言う。

 

◇たとえば、日本のプロ野球に来る

 助っ人のアメリカ人は、

 日本で所得税を払うことはほとんどない。

  エ、エエ〜〜

 

しかし、日本人選手が大リーグに行った場合は、

アメリカで所得税を払っている。

 

 エ、エエ〜〜 そんなバカな!

 

日本とアメリカの外交関係は、

表向きは平等になっているが、

 

実務運用面となると、

アメリカ有利になることが多々ある。

 

つまり日本とアメリカとの関係は、

今でも実質的には「不平等条約」なのだ。

 

 

◇ Amazon は、現在、先進国を中心に、

 世界中でビジネスを行っている。

 

 そして、Amazon は

 タックス・ヘイブンをうまく活用して、

 大幅な節税を行っていることで知られている。

 

Amazon は、子会社を税金の

安いタックスヘイブンに置き、

 

グループ全体の利益をそこに集中させて、

節税をしているのだ。

 

クレジットの決済機能を

アイルランドのタブリンに置いたり、

 

ヨーロッパでのビジネスの利益は

ルクセンブルグに集中するようになっている。

 

アイルランドもルクセンブルグも、

世界的にタックスヘイブンであり、

 

特にルクセンブルグは、

Amazon に対してはさらなる

税優遇措置を講じている。

 

もちろん、

これは世界中から非難を浴びている。

 

しかし、Amazon は、グループ全体の

納税額の半分をアメリカで納めている。

 

2013年を例にとると、

Amazon は全世界で300億円程度の税金を納め、

その約半分はアメリカに納めている。

 

実は、ここがミソなのだ。

 

アメリカに、もっとも多くの税金を

納めることで、Amazon はアメリカの

税務当局の心象をよくしているのだ。

 

そのため、Amazon が他の国から

課税問題でもめたときには、

 

「文句があるならアメリカ政府に言え」

 

ということができるのだ。

 

アメリカの税務当局は、

Amazon が他の諸国で税金を払うよりは、

自国で税金を払ってもらいたいと思うわけだ。

 

結果、アメリカの税務当局が

Amazon の後ろ盾になる形で、

Amazon のグローバル節税が可能になっている。

                  つづく

 

今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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