◇ 5匹のお猿さん、バナナ、ハシゴ、
そしてホースを使った実験があった。
5匹のお猿さんはオリの中に
閉じ込められていた。
そのオリの中では、天井から
バナナがぶら下がっていた。
そして、お猿さんたちにはラッキーなことに、
バナナの真下にハシゴが設置されていた。
誰もが予想するとおり、
すぐに1匹のお猿さんがバナナをめざして
ハシゴに向かって走っていった。
ところが、そのお猿さんが
ハシゴに登ろうとすると、
冷酷な研究者が、ホースを使って
凍るように冷たい水をサルに浴びせた。
さらに、ハシゴを登ろうとした
お猿さんだけではなく、
それを見ていた他の4匹のお猿さんにも、
同時に、この冷たい水を浴びることになった。
2匹目の別のお猿さんが
ハシゴを登ろうとすると、
その研究者は再び冷たい水を浴びせた。
同じく他の4匹のお猿さんにもである。
3匹目のお猿さんが登ろうとしたときも
同様に水を浴びせた。
そして、
お猿さんたちはようやくここで学んだ。
「バナナがあろうとなかろうと、
あのハシゴには二度と登ってはいけない」と。
◇ オリの中の様子を眺めていた研究者は、
さらに実験を続けた。
オリの中のお猿さん1匹を、
オリの外の新しいお猿さんと入れ替えてみた。
当然、新入りのお猿さんはバナナを見つけ、
「バナナを取りにいかないなんて、
なんて間抜けなヤツらだ」と 思ったのだろう。
そして、
新入りのお猿さんはハシゴを登り始めた。
すると、面白いことが起きた。
冷水を浴びせられた他の4匹のお猿さんたちは、
新入りのお猿さんに突進し、攻撃を加えたのだ。
この結果、
冷水の恐ろしさを知らない
ラッキーな新入りのお猿さんでも、
あることを理解した。
「バナナがあってもなくても、
このハシゴを登ってはいけないんだ」と。
つづく
今日一日の人生を大切に!