教養とは無用の用を知るなきなり    vol.203

 

「無用の用」という言葉があります。

 

 これは荘子の

 

「人は皆有用の用を知るも、

            無用の用を知るなきなり」

 

    からきた言葉です。

 

一見すると何の役にも立たないように

見えるものが、

 

かえって大切な役割を果たすことが

あるという意味です。

 

 

歴史や文化を学ぶこと、

 

仕事とは関係のない本を読むこと、

 

本業とは関係のない業界や職業の方から

話を聴いたりすること、

 

これらはすべて「無用の用」

ということになります。

 

自らの業務の効率化や

合理化するためのテクニック等、

ノウハウを習得する必要性ばかり重視すると

 

なかなか「無用の用」にまでは

関心が向きません。

 

しかし個人の存在価値を

高めてくれるのは、

自分だけが持つ「差別化要因」

他なりません。

 

「自分の差別化要因、

  自分らしく能力を発揮できる分野」

 

に対して

 

「合理化、効率化のノウハウ、テクニック」

 

というレバレッジをかけることで

 

はじめて、自分らしく、ストレスなく、

楽しい人生が送れることを

我々は忘れてはいけません。

 

◇ トンビの好きな建築家、安藤忠雄氏が

 インタビュー記事の中で次のような

 エピソードを紹介していました。

 

西洋建築を見ようとヨーロッパへ

一人旅をした時のこと、

 

「建築家を志したら必ず見ておけ」

 

という友達の言葉に従い、

氏は古代ローマのパンテオン神殿に

訪れましたが、

 

いざパンテオン神殿を目にしても

その素晴らしさがよくわからないし、

好奇心も湧きません。

 

その時のことを氏は、

 

「知識も必要だと思った」

 

と振り返っています。

 

安藤氏はさらに

 

好奇心が持てれば、知識を得る力にもなるし、

そうして得た知的財産の総量が、

また新たな好奇心を生む。

 

とも言っていました。 

 

 

要するに、

史跡名勝天然記念物をいくつ訪ねて行っても、

その事に関する歴史認識や知識がなければ、

感慨にふけることもできません。

 

逆に知識があれば、

想像力をかきたてられ、

さらに知識を得る力になり、

またそれが新たな感動を生むのでしょう。

 

つまり「無用の用」こそ、

教養を培う上で、

大切な知識ということになります。

 

今日一日の人生を大切に!

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